43話目のお話ーendー ページ44
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各関係者、しかるべき部署などの裏方全員に
話をつけるよう、稲葉より指示が出された
もちろん、坂本たち全選手のガードも含まれる
「こういう事態も想定しておくべきだったな
どのくらいで収束するかはわからんが
公に出てしまった以上は覚悟してもらうぞ
……汚名返上だ、金メダルでな」
と、稲葉は部屋を退出する際に2人へ向けて話した
坂本と梅野の2人はその言葉を重く受け止め
監督とコーチ陣に深く頭を下げた
稲葉たちが会議室を去った後
坂本は大きく安堵の息をつく
梅野もホッとした表情で窓の外を眺めていた
「自分のことより俺らの心配ばっかりで…
Aらしいな」
「Aちゃんですからね」
ははっ、と坂本は笑った
Aのおかげで自分は野球を続けられる
大きなお咎めがなかったものの
Aや皆に迷惑をかけてしまった
全ての恩は、野球で返す
坂本は新たな決意を抱き、試合に挑むことを決心した
「……Aのためにも、金…絶対取ろうな」
「当たり前じゃないすか」
そう2人で笑いあっていると
突然出入り口の扉が勢いよく開き
数人の人影が会議室に倒れ込む
「いってぇー！もう、誠也さん！
押さないでって言ったのに！」
1番下敷きになって叫ぶのは村上宗隆
その上に菊池涼介
さらに山田哲人
1番後ろで悪びれた様子もなく
両手をあげて笑っているのは鈴木誠也
「おっ、お前ら何してんのや！」
驚く坂本と梅野をよそに
順番に立ち上がった皆が口々に喋り出す
菊池「え〜、俺ら週刊誌見ちゃったんスよねぇ」
山田「勇人さん、まさかAちゃんに手ェ出したんすか！？」
鈴木・村上「俺らそのAちゃんに会ってみたいっす！」
扉の向こうで聞き耳を立てていたんだろうか
勢い余って倒れ込んだ姿がおかしくて
梅野は笑いを堪えている
「よし！絶対金メダル取って、皆でお祝いしよや！
もちろんAちゃんも呼ぶばい！」
菊池・鈴木・村上「うぇーい！さすが梅ちゃん！」
梅野の言葉で喜ぶ3人はハイタッチを繰り出した
山田「勇人さん！ホンマなんですか！？
手ェ出したんですか！ねぇ！」
「あ〜、哲人やかましい…」
坂本にすがる山田哲人を尻目に
皆は笑顔で会議室を後にした
ーーこれから、彼らの長い11日間が幕を開けるーー
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作者名：おか(´･ω･`) | 作成日時：2021年7月4日 19時
