33話目のお話 ページ34
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オリンピック開催を約1週間後に控えたある日
Aに一本の電話がかかってくる
着信の表示名は『まり』
「もしもし!A?」
電話に出た途端、なんだか驚いているようなあわてているような
そんな口調で名前を呼ばれた
「なに?どしたの?なんかあった?」
「週刊誌に載ってるの、もしかしてアンタじゃない?」
突然そんな話を聞かされ、買うことも見ることもない
人生で全く縁のない『週刊誌』という単語が
Aにはピンとこなかった
「どういうこと?週刊誌って何?」
まりの話によると、とある女性週刊誌に
『読売ジャイアンツ・坂本勇人の新恋人を激写』
と書かれていたらしい
まりは知人から雑誌を見せてもらい知ったようなのだが
その恋人と思われる女性の服装が
先日自分がAにコーディネートした服装と同じだったと言うのだ
「今からそっち行くから
今日は一日空いてるんでしょ」
そう言ったまりはプツリと電話を切る
なんのことだか、Aは身に覚えがない
ー一ー週刊誌に掲載されている自分と思わしき人物
ーーー坂本勇人の新恋人
…この二つが、どう考えてもAの中で繋がらない
Aは、親友の言葉に一抹の不安を感じるしかなかった
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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時