29話目のお話 ページ30
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駐輪場に到着すると従業員が駆けつけて来た
普段からAと仲の良い従業員で
足を引きずり歩くAを見て慌ててやってきたようだ
「Aちゃん足どしたん?
…ってゆーか…坂本勇人?!」
坂本は人差し指を自分の唇に当ててにこっと笑い
「おっちゃん、内緒やで」
こっそりと従業員に声をかける
チャリどこや?と坂本がAから鍵を受け取り
自ら取りに行く
「Aちゃん、どーいうこと?」
従業員がコソコソとAに話しかけた
「うーん、なんて言うたらエエんやろか
とにかく、ほんまに内緒にしててや!
困るのは私じゃなくて、坂本さんやから」
と少し困った顔で答えた
従業員はドンと胸を叩き、任せとけ!と得意げに言った
坂本が自転車を押してやってくると
「おっちゃん、ありがとう。またな」
と、従業員に礼を告げ
2人並んで駐輪場を後にした
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少し離れた場所まで来ると、街灯も少なく
人影もあまり見えなくなってきた
「この辺でええやろ。はい、ケツ乗って」
坂本は押していた自転車に乗り
Aに後ろに乗るように促す
「2人乗りするんですか?!」
「俺チャリ乗るん久しぶりやわ!
上手く乗れるかな?」
まるで少年のような笑顔でAを見る
少しワクワクした様子で、なんだか嬉しそうだ
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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時