検索窓
今日:5 hit、昨日:22 hit、合計:36,011 hit

26話目のお話 ページ27

.









楽しかった時間も終わりを迎え

会計を済ませた3人は店を出た

呼んでいたタクシーにまず梅野が乗り込む



「今日はありがとうございました
 とっても楽しかったです!
 奥様にもよろしくお伝えください」



Aが声をかけると

横から坂本がブスッとした表情で口を挟む



「可愛い嫁にちゃんと牛乳プリン買って帰れよ」

「はは!了解っス
Aちゃん、またね」



梅野がヒラヒラと手を振るとタクシーのドアが閉まる

車の姿が見えなくなるまで

坂本とAは並んで見送った



「さて、俺も帰るか…」



そう言って坂本はポケットからスマホを取り出すと

画面を見つめたまま、固まってしまった



「坂本さん?」

「またバッテリー切れや」



スマホのバッテリー残量が10%を切っている

頭をガシガシと掻きむしり

少しイラついた表情を見せた



「こないだ買ったばっかやのに」



先日のバーベキュー前に購入したばかりの
新品のスマホ

あの時もバッテリーが底をつき、迷子になった



「あー、もしかしたらハズレ引いちゃったかもですね
 …てゆーかそれ、私と同じ機種」



『ほら、色違い』とAは自分の赤いスマホを坂本に差し出して見せた

すると坂本は突然Aの両肩を掴んだ



「なっ…どうしたんですか?」

「充電させてくれ!」

「は?!何を言うてるんですか!
 今充電器ないですよ!」

「わかっとるわいそんなこと!
 家に帰ればあるやろが!」



Aは一瞬、坂本が何を言っているのか理解できなかった



充電器はここにはない

部屋に帰ればもちろんある

充電のために坂本を部屋に入れる




私の、部屋に、坂本勇人を?




Aの思考がまとまった時には

すでに坂本は前を歩き始めていた



「なんで勝手に決めてるんですか!
 私まだOK出してませんよ!
 しかも逆方向やし!」

「逆方向て、それ先に言えや!」



それを聞いた坂本は

振り返ってAの方へずんずん近づいてきた

ガシッとAの手を繋ぎ

そのまま真っ直ぐ歩き出した









.

27話目のお話→←Sakamoto's turn



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:坂本勇人   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。