Sakamoto's turn ページ26
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泣いたり笑ったり、忙しいやっちゃなぁ
バーベキューん時は無愛想でブスっとしとって
電話では塩対応やったくせに
ほんま、えらい違いやで
せやけどアイツが店の前に立ってた時は
ぜんっぜん気付かんかったし
誰か全くわからんかった
恥ずかしそうに下向いて
なんかその姿が…
ちょっ…とだけ可愛いなって思った
そしたら、一瞬…ほんまの一瞬や
俺の心臓が『ひゅっ』って音を鳴らした
そんな変な音は今まで聞いたこともない
自分の身体から、心臓からそんな音が鳴るなんか
生まれて初めてや
せやけどちょっとだけ可愛い思ったんは
その時だけ!
呑んで食べてる時なんか
『今度は反対の腕 踏みましょうか』とか
ちょいちょい俺に食ってかかってくる
こいつこんな性格やったんか
梅ちゃんは梅ちゃんで
腕を踏まれる状況が分からん言うから
『藤川家・深夜の事件簿』の話をするハメになるし…
住宅街で迷子になって
犬にヤバいくらい懐かれて
極め付けに腕を踏みにじられる
『踏まれて』さらに『にじられる』ねんで!
梅ちゃん…A…お前ら笑いすぎや
まぁ、結果的に俺と梅ちゃんの仲も
前より良くなった気がする
あの日、球児さん家の帰りの車の中で
『3人で飯でも行ったらどないや』
言うて提案してくれた球児さん
きっかけを作ってくれたあの人には感謝しかない
Aの電話番号も教えてもらって正解やった
しかしこんな落ち着いた時間を過ごしたんは
いつ以来やろう?
楽しいと感じる時間は
あっという間に終わってしまう
そう思うと
ちょっと…寂しいなぁ
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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時