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it's your turn ページ24

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「ちょ、おい」

「Aちゃん、どげんした?」



坂本さんと梅野さんの2人に声をかけられて

ふと気づいた



あれ、泣いてるやん…私



「いやなんか、勝手に…」



梅野さんの話を聞いて

知らぬ間に涙を流していた




2人ともが大切な人を亡くしている

それでも強くいなくちゃいけない



この2人は今日までの間に

どれほどの壁を乗り越えてきたんだろうか

後悔しない生き方を選んだつもりでも

迷ったり、足を引っ張られたり

時には立ち止まることだってあったはず



けれども、立ち止まることは許されない



自分たちの今の立場を理解しているが故に

厳しいプロの世界で生き残る強さを求められる

彼らはそれを持たざるを得ないのだろう





そんなことを考えていたら

ぎゅっと締め付けられるように胸が痛くなって

自然と涙が零れていた



慌ててバッグからハンカチを取り出そうとしていたら



「あーもうほら、これで拭けって」



そう言って坂本さんが自分のポケットから

持っていたハンカチを渡してくれた



なんや…優しいやん



すみません、と渡されたハンカチで涙を拭く

梅野さんが私の背中をポンポンとさすってくれた



「Aちゃんは、優しかね
 ありがとう」


「うん、『ダメ男製造機』ではなさそうやな」


「あ!まだそれ言いますか!」



坂本さんから借りたハンカチが

私の手の中でグシャっと握られる



「勇人さん、それただの悪口っスよ」



梅野さんのダメ出しが入ると

あははと本当に楽しそうに笑う2人

お互いの気持ちが分かり合えたのかな?

私は涙を拭いながら安堵した





ーーーーーーーーーーーーーー





その後も会話は弾んでお酒も進み

たくさん並んでいた料理もほとんど平らげて

あっという間にラストオーダーの時間が来てしまった



この楽しい時間が

もうすぐ終わってしまうのかと思うと

私はちょっぴり…寂しくなった






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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時

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