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20話目のお話 ページ20

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坂本からの電話の理由

それは、先日のバーベキューの件で


『あの日参加したメンバー全員に
 あらためて礼と謝罪をしたかった』


とのことだった



その話を聞いてふと、Aの頭に

あの時ケンカになりそうになったという
梅野の顔が浮かんだ



「梅野さんにも…連絡したんですか?」


「うん、今度メシ行くことになった」


「そうなんですね
 よかった、仲直りできますね」



それを聞いてAはホッとした

あれから、あの日の出来事に自分も責任を感じるようになっていたからだ



「あ…それなんやけどさぁ」



坂本はAだけに頼み事があるという



「申し訳ないねんけど、梅ちゃんとのメシに
 アンタも来てもらえんやろか」



日時が決まり次第また連絡を入れるから

出来るだけ予定を入れないでくれ

あと、誰にも口外しないで欲しい



それが今回電話をした1番の理由だそうだ



「私がその場に加わるんですか?!
 いやそれはダメですよ!」



コンビニ前でつい叫んでしまった

周りの人がまじまじとこちらを見る



「いやほんま無理ですって!
 お2人のお邪魔になるだけですよ!
 私なんかが行ったって
 その場に相応しくないです!」



人付き合いが苦手で、友達も少ないA

なんとかして断りを入れようとするが



「じゃあ相応しい格好で来たらえーやん
 とにかくもうこれは決定事項やから
 頼んだで、絶対な」



坂本にバッサリ否定され、愕然となる



(…違う、そういう意味じゃないのに…)



「ほなまた電話する」


「あ!ちょっと待って!」



坂本は電話を切ろうとしたがAはそれを止めた


「何や」


「あの、なんで私の番号知ってるんですか」


教えたはずのない自分の電話番号

家族や数少ない友人くらいしか知らないはずの自分の番号をなぜ坂本勇人が知っていたのか



「…あー、そのことか」



声の調子で電話の向こう側の坂本が
ニヤニヤと笑っている姿が想像出来る



「それは言えんなぁ、ナイショや
 ほなまたな」


プツッと一方的に通話が終了し

Aは電話を握ったまま
呆然とその場に立ち尽くしていた









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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時

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