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19話目のお話 ページ19

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コンビニで藤川と分かれてから

ビール一本とサラダ、焼きそばを買って店を後にする

愛車にまたがり『さて帰ろう』とこぎ出した時

Aのスマホが鳴った

カバンから取り出し確認する



(知らん番号や…)



Aは登録していない番号からの電話を
絶対と言っていいほど取らない

高校生の頃、バイト先の店長の番号を登録しておらず、随分と怒られたことがある



この時はなんとなく『出なければならない』感に駆られた



通話ボタンをタップすると



「どちら様ですか」



開口一番、無愛想に答える



「そこはもしもしちゃうんかい」



Aの塩対応に

冷静なツッコミが笑いながら返ってきた



なんとなく聞き覚えがある気がする

『知り合いの誰か』なのはわかるのだが

それが誰なのか思い出せない



「ごめんなさい、失礼ですけど…」



「まじで?ほんまにわからん?」



そうかー、と残念そうに答えたその声は

少し低音で鼻にかかるような特徴的な声だった



「そりゃわからんで当然か
 俺の番号知ってるはずないしな
 えー、いつもお世話になっております
 坂本勇人です」



まさかの坂本からの電話に驚きすぎて

Aは声が出ない



「………」


「あれ、電波悪いか?
 もしもーし!聞こえてる?」


「えー!!!え、ちょ、えー!!?」



ちゃんと聞こえてるやんけ!とまた笑われた

スマホから聞こえてくる坂本の声に

緊張が隠せない

またがった愛車から降りて

思わず『お疲れさまです!』と

人の行き交いのあるコンビニ前で

ペコペコと頭を下げていた









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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時

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