14話目のお話 ページ14
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「さて、そろそろお開きにしよか」
球児に言われ時計を見ると針は深夜2時を指していた
夫人が用意してくれた毛布と枕を受け取り
とある一室へ案内される
「この部屋使ってくれ
収録部屋でちょっと狭いけど」
「いや充分っス
あざす」
隅にあるソファに腰掛ける
ぐるり見回すと、この部屋には球児が今まで作り上げてきたいくつもの軌跡があった
阪神タイガース、メジャーリーグ、侍ジャパン、高知ファイティングドッグス…
数々の功績が、いくつになっても挑戦し続ける
今の藤川球児の姿そのままのようだった
「ほなまた明日…
あ!そうそう坂本くん」
扉を閉めかけた時、球児は何かを思い出したかのように振り向いた
「ウチの可愛い娘たちに手ェ出したら
なんぼ巨人の坂本でも容赦せんで」
「子供相手に
んなことするわけないじゃないすか!」
ハハハと笑い、球児は部屋を後にした
(1ミリもあるわけないやろ…)
ふと窓の外を見る
月明かりが部屋中に広がり
庭の木々が揺れていた
(…クソッ…)
バサッと頭から毛布を被り
ソファに倒れ込む
明日、目が覚めたら謝ろう
俺の方が大人なんやから
考えているうちに
いつの間にか眠りに落ちていた
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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時