闇に生きるピクミンの話。〜withオリマー〜

影〜振動〜物体 ページ20

「……どうして！
どうして私が、こんな酷い……いや、惨たらしい目に遭わなければならないんだ！
私は、何もしていない！
何も悪いことはしていないのに！」
右の拳を地面に何度も叩き付け、オリマーは叫ぶ。
赤ピクミンの内臓を中心に広がる血溜まりに、幾つもの波が立った。

爆弾岩はその間に、口の中から管を押し出していた。
オリマーは気付いていない。
管が適当な長さに噛み千切られ、今まさに彼へと吐き出されようとした時！

爆弾岩とオリマーの周りに、影が落ちた。

「……？」
爆弾岩が、身体全体を動かして頭上を見る。
地面が擦れる音に、オリマーも顔を上げた。

「え……！？」
そこには、本物の岩があった。
岩が、降って来たのだ！

「……に、逃げよう！」
オリマーは素早く立ち上がり、自分から見て右側に走った。
自分も着いて行く。


瞬間、地面が震えた。
洞窟に入った時とは、比べものにならない程の揺れだ。

「……痛っ！」
転んで、身体を強かに打った。
声で気付かれたかと不安になったが、見ればオリマーも地面に倒れている。

「……！？」
いきなり、自分とオリマーの間を小さなものが飛んで行った。
左から右に、高速で。
その後を目で追うと、それは洞窟の壁に向かって行く。
水気のあるものが潰れたような、そんな音がした。

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