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境界…? ページ2

………ぴちゃん。


「……………え?」
八尋寧々は目を見開く。

どこからともなく水音が聞こえた。
気がつけば、足首が浸かる水。だが風景はいつもと変わらぬ学園の校舎。

「……どういうこと?私、…今まで普通に」
――――歩いていただけなのに。



「―――――ダメだよ、境界(こんな所)に来ちゃぁ」


どこまでも凛とした中性的な声。
後ろから聞こえた。

寧々がばっと後ろを振り向くと、1人の人間が立っていた。


黒髪のショートヘア、同じく黒い羽織には彼岸花の模様。そして、顔を覆う狐面には頬の位置に「(はち)」の文字。


「あなたは………」
「…おや、誰かと思えば、”七番”のところの子か」

寧々がじっとその少年らしき人物を見る。

「七番って、花子くんを知ってるの!?」
「よく知ってるよ、」

少年はそっと寧々の手を取り、引く。

「さぁ、早くここから出ようか」
「ここは、境界?」
「そうだよ」


「ねぇ、あなたは怪異?」

少年が立ち止まると片手で狐面をクイッと持ち上げる。

「どう見える?」
少年がいたずらっぽく笑う。

お面の下にあったのは白い肌、目元を彩る赤いアイシャドウ、銀色の瞳だった。


『イ、イケメン……!』

そのまま少年が歩き始める。

「あ、じゃぁ名前は?」
「八番」
「え?」


少年が前方を指さした。

「さぁ、着いたよ、このまままっすぐ進めば此岸に戻れる」
「ありがとう」



「―――またね、八尋寧々ちゃん」

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作者名:玉うさぎ | 作成日時:2021年1月31日 22時

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