２話.懐かれた【狂犬】と懐いた【仔犬チャン】。 ページ3
ー少女が倒れていた男を手当してからしばらく経った
未だに目を覚まさない男を見て心配そうな顔の少女
【このお兄さんいつ起きるかな...？】
「何だ、心配なのか」
【うん...。ケガ酷かったのかな。痛そうだったから】
「心配ない。そいつらにとってケガなんてもんは、日常茶飯事だ。飯を食うのと同じくらいの感覚だ」
花屋の話し方を聞いて【知ってる人？】と言う少女に対して
【知り合いだ】と答えてやる
目をキラキラと輝かせながら色々と聞いてくる少女をみて
この少女が人にこんなに興味を示すなんて珍しいと思った
【このお兄さんは、いつもケガしてるの？】
「いや、いつもケガをしているというか。仕事柄だ。こいつは、東城会の嶋野組の若頭みたいなもんだからな」
【東城会ってなぁに？】
「ここら辺いったいを仕切っている組組織だ。お前さんが巻き込まれたミレニアムタワーの爆発事故も組の抗争が原因だ」
【そっか。お父さん達無事かな...】
そういうと悲しそうな顔で俯く少女
それを見てやっちまったという苦い顔をする花屋
すると先程まで起きなかった男が目を覚ました
「なんや？って、ここ何処や」
「嶋野の狂犬、目が覚めたか」
「あぁ？なんで花屋がおるんや」
「ここは、賽の河原だ。お前さんの隣にいるお嬢ちゃんが倒れてるのを見つけてな。手当てがしたいって言うからここまで運んだ」
花屋の言葉を聞いて隣に目をやる男
【ケガ大丈夫？】と言って男に近づく少女
ガキの相手なんてどうすればいいんだと花屋に視線をやる男
「あぁー...お嬢チャン、おおきに」
【うん！ねぇねぇ、お兄さんのお名前教えて？】
「ワシは、真島吾朗っちゅうもんや。お嬢チャンは、名前なんて言うんや？」
【私の名前は、
これが狂犬と仔犬チャンの出会いである...
▶▶NEXT
３話.仔犬チャン【嶋野組】に社会見学をしに行く。→←１話.道路で倒れてたお兄さんを助けたら【狂犬】だった。
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作者名：竜胆ましろ | 作成日時：2024年3月18日 19時
