12話.仔犬チャン、狂犬の朝帰りにご機嫌ななめになる。 ページ13
ーこの日は、【東城会】の本部の集まりがある為少女は、嶋野組の事務所に泊まることになった
真島は、出るつもりが無かったのだが東城会直系嶋野組内の真島組の組長である為そうもいかなくなったようで仕方なく支度をはじめた
「かんにんな。ましろチャンすぐに帰ってくるからええ子ぉで待っとってや」
【むぅ...。わかった、にっしーと遊んで待ってる】
「おおきに。ほな、西田ましろチャンのこと頼んだでぇー」
「はい！任せといてください。親父」
【にっしー抱っこ。お見送りする】と言って西田に抱きあげてもらい玄関に向かう
「おぉ、ましろお見送りしに来てくれたんか？」
「ましろチャン、ええ子ぉにしとってな」
【うん。吾朗ちゃんとクマのおじちゃん行ってらっしゃい！】
嶋野と真島を見送ってから五時間...
現在の時刻は、午後11時である
【にっしー...眠い。吾朗ちゃんまだ帰ってこないの？】
「そうっすねぇー。ましろさん、客間に布団ひいてあるんでそろそろ寝ますか？」
【でも、吾朗ちゃんまだ帰ってきてない】
「親父が帰ってきたら起こしますよ！」
顰めっ面をしながらも【わかった】と言って布団に入ると五分ほどで寝息をたてはじめた
結局、その日の夜に二人が帰ってくることなく
二人が帰宅したのは、翌朝だった...
朝食を食べている少女の元に近寄り【ましろチャンかんにんな】と言っていつも通りに抱きあげようとすると【吾朗ちゃん、女の人の匂いする。近づかないで！】と言って客間から走って出て行った少女の姿に唖然としいる真島
「親父、大丈夫ですか？」
「なんや、真島。ましろに嫌われたんかァ？」
「ほんまに悪かった。このとーりや、ましろチャン許してくれへんか？」
その言葉に俯いていた少女が急に顔を紅くすると【ちゅーしてくれたら許してあげなくもない】と小さな声で呟いた
「ﾋｯﾋｯﾋｯ...、なんや。そないに寂しかったんか？」
【寂しかった...】と呟いた少女を抱きあげるとリップ音とともに小さな唇にくちづけを一つ落としニヤリと笑いながら【これで許してくれるか？】と言った...
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13話.仔犬チャン、桐生チャンと出会う。→←11話.狂犬、仔犬チャンの事が好きだと自覚する。
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作者名：竜胆ましろ | 作成日時：2024年3月18日 19時
