輝きの国の天使と幸の国のプリンセスのワクワクタイム！

クマノミ、モモちゃん ページ24

カコside


私は夢中になって走ります。

胸の鼓動がうるさくて、あふれる涙はとまらなくて。

頭のなかはごちゃごちゃして、心の中はもやもやで…。


そんな気持ちを追い払うように走っていると、気がつけばクマノミさんがたくさんいる場所でした。

キラキラ輝く水の色は、私の心と反対に明るくて、まぶしくて。

一瞬で目を奪われました。


心が落ち着くと、さっきのことがよみがえってきます。


アオイくんの、必死な目…。

力強い手の力。


呼び止めてくれてうれしかったのに、すごくうれしかったのに

“男の子”ってだけで“こわい”って思ってしまって…。


しゃがみこむと、目の前にクマノミさんがいます。

そのクマノミさんは、オレンジじゃなくて白とピンクの変わったクマノミさんでした。


モ『泣いてるの？なんで？』

カコ『え…っと…あっ、あなたの名前は…？』

モ『あたしの名前はモモっていうの』


モモちゃん…か。

可愛いなぁ


私は心に閉じ込めておくのがつらかったのか、モモちゃんに今までのことを全部話しました。

するとモモちゃんは「う〜ん」とうなって


モ『あたしが思うに、あなたたちは両片思いってところかしらね』

カコ『リョウカタオモイ…ですか？』

モ『ええ。その男の子は、カコちゃんに嫌われてるって思ってる。だから腹が立ったっちゃったのかな…って思うの。

その男の子は、カコちゃんのこと気になってるから。

で、カコちゃんも“迷惑かけたくない”とか、“呼び止めてくれてうれしい”っていう感情があるでしょう？

それが恋なのよ！』

カコ『…え…？』

モ『うふふ、二人とも奥手なのね♡鈍感なんだから。

相手のことをそんなに気にしてしまう。そして相手のことを考えたら胸が苦しくなったりする…。

恋ってそーいうものなのよ』


モモちゃんが、パチンとウインクしたように見えました。


恋…？


ぶわぁっとなぜか赤くなるのがわかります。


えっ？えっ？

恋ですかっ？？



カコ『そ、それはないです…！まず、す…すす……っ////…になってたとしても、わ、私なんかがムリ…です』

モ『恋をしたら、女の子は誰だって可愛くなるものよ！』



私が恋…。


なぜか心のモヤモヤが、スーッと晴れてくるみたいでした。


恋…とか、よくわかりません。

わからないけど、だけど…



カコ『ありがとうございます…！私探してきます…！』



アオイくんに会いたい___。



*

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