フーシャ村 ページ10
コルボ山のダダンさんの家に来て3日目。
ここでの生活にもだんだん慣れてきた。
が、元の世界に戻れる気配は全くない。
『ふう・・・』
洗濯物を干し終えて一息つく。今日もいい天気だ。
＊＊＊
『いってきまーす』
ドグラさんに作ってもらったサンダルを履く。
マグラさんに書いてもらった(上手とは言えない)地図とこっそりもらったお金を持って、山道を下る。
初めてこの世界の町に行くので、わくわくしてて足取りが軽い。
町に着いたら八百屋によって、ちょっとだけ服屋ものぞいて、ランチして帰って来よう！
なぜ八百屋かって？
ここの人たち、まったく野菜食べないから！！
毎日ご飯と肉。
野菜と言えば、時々少しだけ山菜を食べるくらい。
年頃の女の子、もとい野菜好きの私にとっては死活問題だ。
お肉ばっかりじゃ絶対身体壊す！
野菜が食べたい！！
獣道みたいな道なき道をどんどこ下って、やっと町に着いた。
サンダルで山道はキツすぎる。帰りが思いやられる。
フーシャ村はのどかでこじんまりした港村だった。
人々が穏やかなのも海が近いのも、ちょっとだけ実家のある町に似てる。
八百屋を見つけ、今夜のメニュー“肉じゃが”に必要な野菜を買う。
異世界だけどじゃがいもとかニンジンとかちゃんとあってよかった！
皆にいきわたる分の量を買ったら、お金はほとんど残らなかった。
『おじさん、港へはどっちに行けばいいの？』
「ああ、この道をまっすぐだ。お嬢ちゃんまいど〜」
『ありがとう！』
八百屋のおじさんの言うとおり進むと海が見えた。
港のへりに立って海を見つめる。
どこまでも続く広い青い海。
海はどんなところでも同じように広がってるんだ。
寄せては返す波の音を聞いていると元の世界の事を思い出した。
涙がひとすじ、頬をつたう。
泣いてちゃだめだ高橋A！
ここで生きて、元の世界に帰るんだから。
「なに泣いてんだ？」
突然声をかけられ慌ててゴシゴシと腕で涙をふく。
『泣いてません！』
ちょっと強い口調で言いながら振り向くと、赤い髪の男の人が立っていた。
麦わら帽子に黒いマント、左目に傷がある。
「絶対泣いてただろ！目ぇ赤くなってるぜ」
だっはっはっはっと大きな声で笑ってくる。
失礼な奴！
顔を背け、横目でにらむ。
赤髪の男の人は明るい笑顔でこちらを見ている。
『あなた、誰ですか？』
睨みながら聞いた。
「俺か？俺はシャンクス。海賊だ！」
ラッキーカラー
あずきいろ
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青砥(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» ありがとうございます(´；ω；｀)頑張ります…！！ (2021年4月23日 23時) (
レス) id: eb0416e90c (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - また最初から読んじゃった！更新楽しみにしてますね(*^^*) (2021年4月22日 15時) (レス) id: b51500dff7 (このIDを非表示/違反報告)
青砥(プロフ) - MAERさん» MAERさんありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月7日 0時) (レス) id: eb0416e90c (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい､､!応援してます〜 (2020年9月5日 22時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青砥 | 作成日時：2020年8月9日 18時
