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「わかったわ。寂しいけど、十年後、また会えるって信じてる。

本当にありがとう」

A眉を下げて口角をあげた。
またあって一週間も経っていないというのに、
彼と十年間会えないという事実がたまらなく耐え難かった。

「じゃあ、僕は海へ戻ります。
また、10年後」

アズールは塩辛い水の底へと潜り込んだ。
地上の光がどんどん薄れていく。

彼女の笑った顔が、太陽の光が見えなくなるのと比例して記憶から薄れていく気がして、怖かった。
しかし、彼女に今のたるんだ体を見られるのは嫌だ。

きっと、幻滅されてしまうから。
正直いって、初めて会った時からアズールは、Aが好きだった。

そうでなければ、また会おうだなんて思わないし、
わざわざ魔法薬を作って気を遣いながら渡すことなんてないのだ。

(僕は絶対に、地上にも名を轟かせる。
彼女が忘れないように、祈って)

その日からアズールは他人の目を気にしないように生きた。
ひたすらに勉強をしてみたり、魔法を使えるように今まで以上に努力をしたり。

スキンケアや体を絞ることにも心血を注いだ。
彼女に釣り合う男になれるように、という目標だけでこんなに彼は行動していた。

猶予は十年間だけなのだ。
彼女を裏切ることなんてしたくない。

毎日一回は地上に届くはずもない海の底で「Aさん」と呟いてみたりもするのだ。
それだけで、自分がどうしてこんなに頑張っているのか、理解することが出来た。活力になっていた。

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- リクエストありがとうございます!詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね!書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます! (2022年5月19日 18時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございます!承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね! (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい! (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年2月2日 22時

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