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「ウツボ！？あれはウツボなんかじゃないよ、タコでしょ！」
「足がいっぱいあったんだよ！ウツボはあんな影じゃない」
Aは目が見えないから、きっとあの人魚に騙されたんだ。
子供たちは口々にそういった。
「……あの人魚さんは、ウツボじゃないの？」
少しそれがAにはショックだった。
もしかしたら、私は彼に嘘をつかれたのかもしれないと思ったからだ。
会って1日も経っていないのに、少しだけ心が痛かった。
でも、なんでそんな嘘なんかついたんだろう。
「ねえ、今日は何の話する？」
子供の中の一人がはつらつとした声で言った。
「じゃあさ、人魚！人魚の話しよう！」
Aは目が見えなく、鬼ごっこやかくれんぼなどの遊びに参加出来なかった。
そんな彼女を見兼ねてか、子供たちは決まった時間にこうやって会話を楽しむことにしていた。
Aは過激なことをしたり言ったりしない。
思春期の子供にはそれはつまらなくも思えたが、
その変わらない彼女の態度が大人びていて、子供たちにはそれが受けたのだ。
彼女の達観している部分は、喋り方や考え方だけでなく、
彼女は頭もきれた。
即興で物語を作って、なんて言えば幾らでも話してくれる。
彼女は目が見えない代わりに、才能を手に入れたのだと、周りの大人たちもそう口々にしていた。
「いいよ。ねえ、人魚ってどんな見た目をしているの？」
彼女は優しく言った。
「人魚はね、上半身は人間の見た目してるけど、下半身は魚！」
「人間の上半身って言っても、ちょっと鱗があったり色が違かったりしてる！」
彼女とは対照的に幼い子供の年相応な喋り方をする子供たちの語りを、Aは優しく聞いていた。
年はさほど離れていないはずなのに、彼女だけは大人同然に見えた。
「でもね、さっき見た人魚は太っちょだった！」
「人魚だから大きかったってのもあるかもしれないけど、それにしても太り気味だったよね」
人魚の彼は太っているのか、と彼女は思った。
声は子供特有に高いだけで、肥満の人のように少し潰れた声ではなかった。
スレンダーな人魚を勝手に想像していたな、
と彼女は少しだけ反省した。
「ねえ、どれくらい太ってた？」
とはいえ彼女は目が見えないのだから、彼がどのくらい太っているのか、知ることは出来なかった。
何故だろうか、Aは少し切ない気持ちになった。
「あのね、もしまた人魚を見つけても、脅かさないであげてね」
彼女はくしゃりと笑い、そうとだけ言った。
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港 - リクエストありがとうございます！詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね！書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます！ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
港 - リクエストありがとうございます！承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね！ (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい！ (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：港 | 作成日時：2022年2月2日 22時
