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人間の中で人魚とは、ヒレのある魚が主流らしい。
人魚の中でさえタコのアズールは異端だった。
自分がタコの人魚であることを伝えたなら、彼女はどう思うのだろうか。
アズールはそんなことで頭がいっぱいだった。
「僕……僕は、」
「僕は？」
アズールが答えるのを渋るのを催促するように、Aはオウム返しした。
「僕は、ウツボです！ウツボの人魚です！」
アズールはひとつ、嘘をついた。
罪悪感が心に残るものの、きっと彼女とはこれっきりだろう。彼はそう思った。
「へえ、ウツボ！鋭い歯が格好いいって、前に友達が言ってたの！
海のギャングなんて言われてるらしいし、私には無い強さだわ。憧れちゃうね」
彼女は愛嬌があるように言った。
咄嗟に口をついてでた、憎いアイツらの種族。
こんな気分になるなら、嘘なんてつかなきゃよかったな。
アズールは後悔した。
「ねえ、海の底には他にどんな人魚がいるの？」
彼女は聞いた。
「クマノミとか、ウミウシとか、クラゲとか。
……あとは、タコとか」
最後の言葉を、アズールは今にも消え入りそうな声で言った。
「へえ！いっぱいいるのね！
ウミウシは変な形をしてるらしいけど、私は目が見えないから分からないなあ。……ウミウシの人魚って、一体どんなのなの？」
勇気を振り絞って言ったタコという単語は彼女に特筆すべきものでは無いと感じられたらしい。
嬉しいやら悲しいやらの気持ちで、何が何だかアズールにはよく分からなかった。
「ウミウシの人魚は、案外突飛じゃないですよ。
人間からしたら、きっとどの人魚も変わりません。
下半身が海の生物なんですから。
……まあ、そこそこ人魚の中でも浮いたりしてますが」
「へえ、そうなんだ。
……ねえ、海の中ってどんな感じなの？」
彼女は嬉しそうに口角と声のトーンをあげて喋り始めた。
「海の中、ですか？
僕にとっては生まれ育った場所なので、当たり前を紹介しろと言われると難しいのですが」
「うーん、じゃあ、人魚のアズールくんからしても、変だなあって思う人魚っているの？」
「変だと思う人形？難しいですね」
アズールは間を持たすようにそういった。
変な人魚。その言葉に心臓が鼓動するスパンが短くなっている。
変な人魚。変な人魚。それは、アズール自身が幾度となく言われ続けた言葉ではないか。
「タコ……の人形、ですかね」
つい、アズールは口を開いた。
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港 - リクエストありがとうございます！詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね！書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます！ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
港 - リクエストありがとうございます！承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね！ (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい！ (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：港 | 作成日時：2022年2月2日 22時
