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「まっ、まままさかオルト……拙者のことをはめたんでござるか!?
もしかしてこれ全部ドッキリ!?
拙者の必死で無様な姿が全部オルトに見られてたんでござるか!?
皆で拙者を嘲笑ってたんだ絶対にあーそうだもうお終いだ!
これだから外は嫌いなんだ!
……陰キャ引きこもりオタクが本気なんて出さなきゃ良かったんだ。
最初から諦めてしまえていればこんなことにはならなかったのに。
ホント拙者って実は馬鹿なんじゃないの……
頭の良さだけは鼻にかけたかったのに……
これじゃなんの取り柄もないっすわ。
オルトに裏切られたらもうどうすればいいんだ……」
イデアは小声で何やらボソボソと呟き始めた。
オルトはその言葉を最後まで言わせてから、
「違うよ兄さん!」
と弁解を始めた。
「え……何が違うの?今更もういいよ……」
完全にやさぐれたイデアはオルトに諦めたように微笑んだ。
「だーかーら!違うって!
僕が違うって言ったのは告白のことじゃなくて、
兄さんを悪い意味ではめらんじゃないってこと!」
「は?え?……え、えーっと……」
そう面と向かって「告白」という言葉を出されるとやはりイデアは赤面した。
そんな彼の姿を見て、Aも口を開き始めた。
「恥ずかしいけど、私からネタばらしさせてください。
まずイデアさん、私の行動によってイデアさんが気を悪くしたのならすみません。
私はオルトくんと一緒にイデアさんへの告白が成功する確率が一番高くなる方法とシチュエーションを模索してたんですよ。
……やっぱり、自分の口から言うのは照れくさいですね」
デート中の初々しさはどこへ行ってしまったのか、
彼女はいきなり喋りだした。
今までのは演技だったのだろうか。
イデアは心の中でモヤモヤしながら、「あ……はい」と答えた。
「それでね!誰にも邪魔されないように、
カフェの店員さんもお客さんも全員に協力してもらってるんだ!」
オルトは、エッヘン!と言わんばかりに自身の胸をひとつ叩いた。
「おめでとー!」
カフェの中は歓喜の声に包まれて、イデアは戸惑った。
それと同時に、凄く充実した時間を過ごしているような気がしていた。
「後は水入らずでふたりで散歩でもしに行きなよ!
……今度は、誰も着いていかないから!」
オルトは屈託のない笑顔を浮かべて笑ったあと、
彼らをカフェの外まで見送った。
イデアは何が言えるわけでもなくオルトに言われるがまま店の外へ出た。
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港 - リクエストありがとうございます!詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね!書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます! (2022年5月19日 18時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
港 - リクエストありがとうございます!承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね! (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい! (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:港 | 作成日時:2022年2月2日 22時