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僕は間が悪いのだろうか。色んな人間関係に板挟みにされる。
イデアは授業の音声だけ聞きながらゲームをしていた。

ダメな事だとはわかっているが、どうせ勉強ならできるのだ。
それに自分がモニターの前でどんな行動をしていようと評定にも関係ないし他人には分からない。

無駄なところで努力して「これだけ頑張った!」と喚くのはバカのすることだ。
イデアはアクションゲームを進めながら思った。

ふと時計を見ると学校の授業がちょうど終わった時間だった。
イデアは手汗をかいた。というかてどころじゃない。
全身から脂汗が吹き出す感覚だった。

自分でなんとかしてみせると言っておきながらも結局なにも彼女との関係は進んでいない。
時間を開ければ開けるほど気まづくなるのはわかっているのに。

「そろそろ、やらないとな」

声に出して呟く。声が勇気に変わる。……なんてことは起きず、ただ焦燥に足が動かなくなるだけだった。

(なんて返信すべきだろうか)

同い年の女子とメールを送り合うなんて、本当に拙者の人生か?
おちゃらけて見るも逆効果で、イデアはまた考えられなくなった。

思い返せば当たり前のことだ。
昨日一晩中考えて思い浮かばなかった答えを今さらなにも見ずに浮かばせるなんてできるわけがない。
出来たとしても時間がかかりすぎる。ナンセンスだ。

一生懸命考えて、やっとのことでイデアが送れたメールはこうだった。

「ごめん、少し忙しくて返信できなかった」

「僕としては絶対反対なわけではないけど」

「それは別に君のことが好きなわけじゃないし、ましてや特別な感情を抱いているわけでもない。
ただ両親と弟の期待に報いたいだけですから何卒」

送った後に、なんと冷たい文章だろうとイデアは思った。
少し前に流行ったツンデレというやつに似ている。

いや、陰キャキモオタからのツンデレは軽く地獄に近い。
そう形容するにはおこがましい。

しかしこれは流石にまずい。
送信を取り消そうと思った瞬間、既読がついた。

「私としても両家の仲を取り持ちたいので嬉しいです。
では、これからよろしくお願いします」

絵文字ひとつない硬い文章に、イデアは唾を飲み込んだ。
自分もだが、年頃の女子はこんなデコレーションのない文章を送るのだろうか。

……彼女は一体なんなのだろうか。
イデアは次に返信する内容も考えずに彼女の素性について思考していた。

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- リクエストありがとうございます!詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね!書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます! (2022年5月19日 18時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございます!承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね! (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい! (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年2月2日 22時

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