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(なにしに来たんだ……いつもはもっと遅いはずなのに!
陽キャのくせに待ち合わせすらしてないし、まさか拙者への当てつけ!?
……いやいやケイト氏のような陽キャの極み圧倒的光属性が拙者のようなオタクへの当てつけのためにわざわざ一人で労力を割くとは思えない。
というか拙者に興味がある、関心を持っているなんて思うのは僕自身の思い上がりだ。
あーこれが自意識過剰ってやつか)
イデアは緊張でで動かない体で考えた。脳だけは活発に働いている。
「あっ!よかった、やっぱりあった」
なにを思ったかケイトはイデアのタブレットを見つけるなり駆け寄って、バツが悪そうにする。
モニターに映る相慣れない陽キャの姿にイデアはおののく。
「……イデアくん、聞こえてる?」
「ひっ、き、聞こえてますけど……?」
「よかった!……ねえ、昨日のことなんだけどさ」
「なに?別にそんなの全然気にしてないんだけど。
そもそも僕が惨めになるだけじゃん、謝られてもさ」
またイデアの口からはひねくれた言葉が飛び出す。
本当はこういうことがいいたいんじゃない。
そうも思ったが、自分のひねくれた性根からはこんな言葉しか紡げない。
「……だよね。でも、一度だけ謝らせて欲しい。
ごめんね、イデアくん。
俺からもあの子たちに言っておくから!」
ケイトは気さくな笑顔をイデアに向けた。
この計算されたようなあざとくも思える表情が、100パーセント善意で構成されたものならばきっと僕はもう立ち直れない。
イデアはそう思っては目を瞑りたくなった。
「要件はもうないでしょ?」
「うん。……ねえ、イデアくん」
イデアはこれ以上話が続くのかと憂鬱になった。
あー、本当にうざい。うざいと思うことでしか自分のみじめさを忘れられない。
「なに?」
突き放すようにイデアは言った。
「俺さ、本当にイデアくんと友達になりたいって思ってたよ。
先生に頼まれたとかそんなんじゃないし。
でも、迷惑だったよね。これからは無闇矢鱈と近寄らないようにするから」
ケイトの真面目な顔を見て、イデアはずきんと心が傷んだ気がした。
前まではケイトやその他の陽キャたちが困っていても
「ざまあ」の一言で済ませるのがいいところだったイデアだったが、
今回ばかりは気まずそうに口をへの字にした。
ごめん、と最後にも言い残し教室を出ていったケイトの背中を見るのが辛かった。
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港 - リクエストありがとうございます!詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね!書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます! (2022年5月19日 18時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
港 - リクエストありがとうございます!承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね! (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい! (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:港 | 作成日時:2022年2月2日 22時