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「うん、いいよ」

オルトは兄との共用アカウントの履歴からタブレットでイデアが喜びそうなものをピックアップした。

「あ!兄さん、これみて」

オルトは驚いたように目を見開いてイデアにタブレットの液晶画面を見せた。

「何?……!これは」

へそを曲げていたイデアは、思い切り立ち上がって喜んだ。

オルトはこんなに喜んでいる兄の姿を見たのは久しぶりなので、えへへと笑って一緒に喜んだ。

「僕達の大好きなゲームの新作が出るって!」

喜びの追い打ちをかけるようにオルトも立ち上がった。

ワクワクする気持ちを抑えられない。

「いやー、え、これは完全新作!?

リメイク版じゃなくって!?

あ、いやリメイク版ももちろん大歓迎だしなんなら何度も何度もやりたい所存なんだけど

新しいストーリーとか拙者得でしかないじゃないですか」

黙りこくりそうだったイデアは突然饒舌になる。

「この作者さん、昔「このシリーズはもうあんまり書かないかもしれない」って言ってたもんね!」

「拙者そのコメントを見た時は心臓が止まりそうなくらいショックでしたぞ。

……これで生きる希望が見えた」

これもオタク特有の反応なのだろうか。

大袈裟なくらいイデアは喜んで天を仰いだ。

しかしここはイデアの自室。空など1ミリも見えやしないのに、イデアは天を仰ぐのをやめなかった。

「これ……来月の15日に発売されるって!」

「マ?情報公開今日?」

「うん!三時間前に初公開された情報だよ」

「情報公開から一ヶ月強で発売されるって神じゃない?」

「待ってる時間も確かに楽しいけど、待ってる時はそれはそれで気が気じゃないもんね」

「あー、これで寿命が伸びた」

イデアはパソコンを立ち上げ、ネッ友たちの反応を確認し始めた。

さっきまでの萎れた野菜のような彼が思い出せないほどイキイキしている。

するとオルトが「あ、」と声を漏らした。

「兄さん……」

バツが悪そうにオルトはイデアの方を見る。

「お母さんとお父さんから……メール」

「あーね。なんだろ。めんどくさいのじゃないといいけど」

イデアはパソコンに打ち込む文字をブラインドタッチで入力していた。

器用なものだ。しかしオルトの方は見ない。

「兄さんに紹介したい人がいるってさ」

「うわ、またお見合い?

そういうのってマジで軽めに人権侵害だと拙者思ってるから前丁重にお断りしたよね?」

イデアは軽めに怒っていた。

3→←イデア・シュラウド…高嶺の花 1



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- リクエストありがとうございます!詳しく書いてくださったのでわかりやすいですね!書くのが遅いので順々になりますが必ず書きます! (2022年5月19日 18時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクで鬼滅の刃で夢主が妓夫太郎を養子にして夢主が妓夫太郎に付けた名前は飛鳥 妓夫太郎は夢主に依存して夢主は妓夫太郎を溺愛してる (2022年5月11日 18時) (レス) @page1 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございます!承りました〜今書いているのが終わったら取り掛かりますね! (2022年3月18日 17時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでアズールで甘で書いて下さい! (2022年3月17日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年2月2日 22時

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