秘訣 ページ7
｢じゃあさ、同期と仲良くする秘訣ってあるのか？
Aはどうやって獪岳君と仲良くなったんだ？｣
村田さんは獪岳君って呼ぶんだ。...呼び捨てでいいと思うけど。
ワクワクした顔で尋ねる村田さんに、ありのままを伝える。参考にならないだろうなぁ。
｢そうですね...私はひたすら付きまとって付きまとって...獪岳は始めの方は本当に嫌がってたんですけど、気づいたら何も言わなくなりましたね。
それで度々任務を共にしていたらいつの間にか仲良くなれました。｣
｢...獪岳君が諦めるまで付きまとってたのか｣
｢せっかく同期なんですよ、仲良くしたいじゃないですか｣
でも、村田さんには向いてなさそう。もっとこう...別のやり方を探した方がいいよね
｢村田さんはそうですね...
水柱様と同様に水の呼吸を使うんですから、稽古っていう名目で会いに行ってみてはどうです？
それなら自然じゃないですか｣
｢稽古か...なるほどなぁ｣
ふむふむ、と考え込み始めた村田さん。
お手紙から始めてみてもいいかもしれない
水柱様は寡黙な人だけど、紙の上ではおしゃべりかもしれないし。
村田さんを見つめながら私も考える。
この人は獪岳の事を悪く言わない。...少なくとも、私と話す時は。まぁ、陰口とか悪口とか、言えなさそうな人だけど
獪岳君はすごいな、Aはすごいな、努力家な二人は相性いいんじゃないか。
いつもそんなふうに村田さんは褒めて伸ばしてくれる。獪岳はちょっと照れてモゴモゴ返事してたっけ。
眩しい人。きっと後輩からも慕われているのだろう。無意識に人に優しくできる村田さんが羨ましい
こういう優しい人は、大体すぐに居なくなっちゃうけど、村田さんは違う。
私が隊士になった時からずっと一緒にいてくれる
ちょっと頼りない時もあるけど、真っ直ぐしてて素直で。弱気な所もあるけど、やる時はやってくれる。
強くて、頼りになる先輩。
この人を見ていると心が暖かくなるのと同時に胸の奥が痛くなる。
｢...あ、もうこんな時間か。あはは、すっかり考え込んでしまった。｣
不意に村田さんは顔を上げた。
いつの間にか時間が過ぎていたようだ。
｢いいえ、楽しかったですよ。
また一緒にお茶しましょうね｣
勘定を済ませて甘味処を出る。
村田さんは別の任務があるらしく、店の前で別れた。
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くろすけ(プロフ) - いままでこのお話を読んでくださった皆様、素敵なコメントをくださった皆様、ありがとうございます。ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします。 (10月15日 13時) (
レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - それにあたりまして、今後『獪岳と同期の子の話』については、支部にて、「胡麻/瑠璃/ばりぼり/」というユーザー名のアカウントから更新させていただきます。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - Ms3さん» コメントありがとうございます。こちらの作品アカウントにログインできなくなってしまったため、今後このサイトから作品を更新することは一切ありません。しかし、私自身この作品に思い入れがあるため、別サイトにて修正、更新をさせて頂こうと思っております。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
Ms3(プロフ) - 全て読ませていただきました！今まで読んだ小説で一番好きです…文章の書き方が美しいです…更新まっています。乱文失礼しました。 (2022年1月30日 17時) (レス) id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 月花さん» わからないです...村田さんは凄く好きなキャラクターなのでお名前知りたいです...、、 (2020年3月19日 10時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりぼり | 作成日時：2020年3月4日 10時
