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三日目 雨天中止 ページ25

今日の浅草の街は朝から雨が降っている。
この様子だと外出は控えた方が良い、午後からもっと酷くなるからと、旅館の女将が教えてくれた。


「雷が鳴るかもしれません故、お出かけの際はどうかお気を付けて...」

「そうですか...ありがとうございます」


女将との会話を終え部屋に戻る。
カラリと障子を開けると獪岳が不思議そうな顔をしていた。


「今日は行かないのか」


獪岳は鳩羽色の着物に至極色の羽織りを身にまとって、畳の上に座っていた。
今日は紫系の色でまとめたのね...。
なんというか、色気が出てる。

私は昨日と同じ着物だけど。


「うん...雨が降ってるから。
午後からもっと酷くなるって女将さんに言われたの」

「仕事はいいのかよ」

「お館様によると、問題ないって...」



昨日お館様から手紙が来た。
二日間聞き込みをして大丈夫そうなら問題ないだろうって。あの方が良いと言うなら、私は何も言わないけど...。


「そうか...おい、こっち来い」

「うん...」


静かに獪岳のそばに座る。


すると獪岳は少し移動して私を足の間に収めた。
背中に硬い体が当たる。寄りかかるようにして頭を擦り付けると、優しく撫でられた。


「お前、昨日から変だぞ」


撫でる手はそのままに、空いている手で私の腰周りを抱く。獪岳の身体はいつも冷たくてひんやりしているが、今日はなんだか暖かく感じる。

私は腰に回った獪岳の腕を指先でするする撫でながらポツリと思っていた事を口にする。


「せっかく浅草に来たから、デェトしたかったの...」



実際一緒に街を歩きはしたけれど、もっと濃い日を過ごしたかった。
仕事だから私情を挟むのは良くないってわかってる。
わかってるけど...



獪岳は静かに頭を撫でていた手を止め、その手も私の腰に回してギュッと抱きついて、肩に顔をうずめてくる。



「どうしたの、獪岳...まだ眠たいの?」

「.........ちげぇよ」



ぐりぐりと頭を押し付けて来たかと思うと、獪岳はおもむろに顔を上げた。深い緑の瞳と目が合う。

三日目 甘えたい→←二日目 障子の向こうは別世界



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設定タグ:獪岳 , 鬼滅の刃 , 村田さん
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くろすけ(プロフ) - いままでこのお話を読んでくださった皆様、素敵なコメントをくださった皆様、ありがとうございます。ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - それにあたりまして、今後『獪岳と同期の子の話』については、支部にて、「胡麻/瑠璃/ばりぼり/」というユーザー名のアカウントから更新させていただきます。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - Ms3さん» コメントありがとうございます。こちらの作品アカウントにログインできなくなってしまったため、今後このサイトから作品を更新することは一切ありません。しかし、私自身この作品に思い入れがあるため、別サイトにて修正、更新をさせて頂こうと思っております。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
Ms3(プロフ) - 全て読ませていただきました!今まで読んだ小説で一番好きです…文章の書き方が美しいです…更新まっています。乱文失礼しました。 (2022年1月30日 17時) (レス) id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 月花さん» わからないです...村田さんは凄く好きなキャラクターなのでお名前知りたいです...、、 (2020年3月19日 10時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月4日 10時

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