返事 ページ19
獪岳は自分の与えられた部屋に入って、貸してもらった着物に着替えた後、丸窓から空を眺めた。
それは夕方になって雀が手紙を持ってくるまで続いた。
この二週間ロクに休まず動き続けた為に、頭がぼーっとしていたのである。
茶屋での会話がもう限界だった。今は頭が働かない。
空が綺麗だなぁと、柄にもなく考え始めるくらいには疲れていた。そして空を眺めながら、村田さんとは仲良く出来そうな気がするなぁ、なんて考えていた。
疲れていたのである。
ちゅん太郎が獪岳のもとへやってきて、獪岳が手紙を読んで返事をしたためる。
それをまたちゅん太郎に括りつけてやり、夕日に向かって飛んで行くのをぼ〜っと眺めた。
彼が正気に戻ったのは、仲居の人が夕食を持ってきた時だった。
・
我妻善逸は驚いていた。
あの獪岳から、手紙の返事が来たからである。
｢うそ...なにこれ夢？｣
ちゅん太郎が善逸の頬をツンツンとつつく。
痛い...夢じゃないんだ。
嬉しくて手が震える。上手く手紙が開けられない。
やっとこさ手紙の封を切って、中身を確認する。
そこには筆で、
馬鹿が くたばれ
と縦書きで書いてあるだけだった。
所々かすれていたり、字のはらいがボサボサになっていたりする。
｢！...んふ、んふふふふ！
イヒヒヒッ！！！｣
善逸は手紙をみて嬉しそうに笑った。
そこには罵倒の言葉しか載っていなかったが、そんな事よりも獪岳から手紙が来たというのが嬉しかったのだ。
Aさんの言ってた通りだ。
あの人は凄いなと、善逸は手紙を大事に懐にしまいながら思った。
｢...善逸、罵倒されて嬉しいのか？｣
｢イヒヒヒッ！｣
｢どうした紋逸、毒キノコでも食べたのか？｣
｢ふへへへへ！｣
｢駄目だ伊之助、善逸の事は放っておこう...｣
ーーー
獪岳が普段手紙を書かないのは、Aのような綺麗な字を書けない劣等感から。
お館様への報告書は仕事なので書く他ないから書いてる。何度も書き直すけど。
実際は獪岳の字は彼が思ってるほど汚くない。
力強い良い字を書くなぁとAは思ってる。
※この小説の話は私の妄想と捏造120%でお届けしています。
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くろすけ(プロフ) - いままでこのお話を読んでくださった皆様、素敵なコメントをくださった皆様、ありがとうございます。ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします。 (10月15日 13時) (
レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - それにあたりまして、今後『獪岳と同期の子の話』については、支部にて、「胡麻/瑠璃/ばりぼり/」というユーザー名のアカウントから更新させていただきます。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ(プロフ) - Ms3さん» コメントありがとうございます。こちらの作品アカウントにログインできなくなってしまったため、今後このサイトから作品を更新することは一切ありません。しかし、私自身この作品に思い入れがあるため、別サイトにて修正、更新をさせて頂こうと思っております。 (10月15日 13時) (レス) id: 5d290dfab7 (このIDを非表示/違反報告)
Ms3(プロフ) - 全て読ませていただきました！今まで読んだ小説で一番好きです…文章の書き方が美しいです…更新まっています。乱文失礼しました。 (2022年1月30日 17時) (レス) id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 月花さん» わからないです...村田さんは凄く好きなキャラクターなのでお名前知りたいです...、、 (2020年3月19日 10時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりぼり | 作成日時：2020年3月4日 10時
