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夜の訪問者 ページ20

コン...コンコン......コン...コン


扉を叩く音で目が覚めた。Aが背中に張り付いているのを感じた。彼女の方に向き直り、じっと襖の扉を見つめる。



こんな真夜中に一体誰だ?


気にはなったが獪岳は返事をせず、そのまま瞳を閉じて寝たふりをした。



カラカラカラ.........


今度は引き戸が開けられた。




...今度はなんだ?勝手に戸を開けやがって



泥棒だったら捕まえればいいかと思い寝たふりを続けながら相手の音を耳で聞き取る。



シン......



おかしい。扉が開いてから音がしない。

気配も扉の所で止まっているようだった。


疑問に思った獪岳はゆっくりと目を開けた。



「!」


目に映った『ソレ』に驚いた獪岳は、庇うようにAを抱き寄せる。



Aの枕元にズン...と重苦しい空気を纏って黒い固まりが座っていた。





『ソレ』はAに向かってボソボソと何か話しかけている。



「......う、......っしょに......い......」



獪岳はAを抱く力を強くした。


なんなんだ、コイツは...

霊や妖怪の類いは信じないタチの獪岳だが、見てしまったものは仕方がない。

しかし見続けるのは良くない気がして目をそらす。


すると黒い塊はぬっとAの近くまで寄ってきた。



「...ぉぃで......おいで......いっしょにいこう.........」



その声はどんどん大きくなる。
獪岳は頭がおかしくなりそうだった。



「いこう...いこう.........」



気を抜いたら『ソレ』に何処かへ連れていかれるような気がした。



「はやく........はやく......」



真っ黒な手がAに伸びる。獪岳は金縛りにあったように動けなくなっていた。


どんどん手が伸びてゆく。


もう少しでその手がAに触れるという時、ピタリとそいつの動きが止まった。




「...ぁ..だめだ.........櫛........それはだめだ.........」



だめだ...だめだ...と言いながらその塊は手を戻し、ズリズリと体を引きずりながら部屋から出ていった。

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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです!更新ずっと待ってます! (2022年2月5日 13時) (レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです!頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます!嬉しい...。更新頑張ります!! (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます!更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります!番外編いいですね ...お話考えてみます! (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月18日 18時

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