劣り ページ30
獪岳はAに言われるがまま町に連れてこられ、店で買い物をしていた。
敬語については彼女の説明で理解していた。間を開けて応えたのは...まぁいろいろある。
町で実践しろと言われ、実際に会話をしてみると中々今までの癖が抜けず苦戦した。しかし諦めず敬語を意識し言われた通りに八百屋と魚屋で買い物をした獪岳は荷物を片手で抱え、Aの元に歩いた。
｢ーー！ーーーー？｣
｢ーーー、ーーーー｣
Aともう一人、誰かが話しているのが聞こえる。
木の影から覗くと彼女の話し相手は外国人だった。
二人はニコニコと楽しそうに話している
獪岳には会話の内容がわからなかった。彼らは外国の言葉で話していたのだ。
Aが当たり前のように違う国の人間と話しているのを見たとき、なんとも言えぬ劣等感が獪岳を襲った。
俺は自国の言葉すら上手く使えず、字を書くのもやっとなのに......と。
やはり世の中は理不尽で不平等なのだと感じた。下を向いて自分の足元に目をやる。
生まれた時から人間の価値は決まっている。あの女もあの外国の男もそうだ。自分に無いものを持っている。
『それ』を教われる場所にいて、教えてくれる師がいて、環境に恵まれてー｢獪岳？｣
ハッとAの声で我に返った。
荷物を抱えている腕に力が入る。
｢そんな木の影に隠れて...戻ってきてたなら声をかけてくれれば良かったのに｣
Aは外国人との話を終え、獪岳の方へ駆け寄った。
｢買い物はしっかり出来たみたいね。
帰りましょ、藤の家の人が心配するから｣
空いている獪岳の手を取ってAは歩き出した。
・
しばらく歩いた時、獪岳はAの手を振りほどいた
そのまま立ち止まる。
｢どうしたの、急に｣
Aもその場で立ち止まった。
二人の間に沈黙が流れる。
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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです！更新ずっと待ってます！ (2022年2月5日 13時) (
レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです！頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます！嬉しい...。更新頑張ります！！ (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます！更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります！番外編いいですね ...お話考えてみます！ (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりぼり | 作成日時：2020年3月18日 18時
