21.みつけた ページ18
三日間、獪岳と会わずに時が過ぎた。
一人になって気持ちの整理もできたので、そろそろ彼の元へ帰ろうと思う。獪岳に変な虫がついていたら困るし...
少し歩いた時、鴉の声が聞こえた
「鬼ガ出没シタトノ情報アリ!東二向カエ!」
カァと鳴いて夕焼け空を東に飛んでゆく鴉を追いかける。
...獪岳の所へ行くのは任務の後でもいっか
・
「...ふぅ」
東に出た鬼は弱いものだったのですぐに任務は終わった。子供の鬼だった。
きっと最近鬼になってしまったんだろう。かわいそうに。
そういえば炭治郎くんは鬼にも慈悲の気持ちを抱いていて、斬った後に手を合わせる事があるとか...
風の噂で聞いただけだが、あの子ならやりそうだと思った。
鎹鴉が言うには、もうここに鬼は居ないらしい。そして藤の家も無いという。
困った。もう外は真っ暗だ。
はやく宿を探さねばならない。
・
街のある方を鴉に案内してもらいながら歩いていると、後ろからガっと肩を掴まれた。
「!」
冷や汗がする。気配がなかった...
まさかまだ鬼が?咄嗟に刀の鯉口を切る。
すると、耳元で声がした。
「....おい、探したぞ」
肩に乗っている手を払って勢いよく後ろを振り向く。
二、三歩離れて相手と向かい合った。
「あれ、かいがく?」
私の肩を掴んだのはどうやら獪岳だったらしい。
「勝手に居なくなりやがって...消えるなら一言言ってからにしろよ」
「消えるって...ちょっと一人になりたかったからそうしただけだよ。本当は今日の内に獪岳の所に戻るつもりだったの」
わざわざ探しに来てくれるなんて...珍しい事もあるのね。
「なら初めに言っとけ。ったく、こっちは丸一日走りっぱなしだったんだぞ」
「ふぅん...すぐには探してくれなかったのね」
私がいないことに気づかなかったとか?
離れてから三日もあったのに。
「俺だって任務があんだよ。あと、村田さんと話をしたから...」
「え、村田さんと!?ずるい...」
私もお話したかったと言うと、いなかったお前が悪いと獪岳は言った。彼の言う通りなので返す言葉はない。
会話をしながら夜の道を歩く。そろそろ寝る場所を確保しなければならない。
「この辺藤の家が無いんだって。宿を探さないとね」
「なら早くしないとな...おい、お前もっと早く歩けよ」
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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです!更新ずっと待ってます! (2022年2月5日 13時) (レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです!頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます!嬉しい...。更新頑張ります!! (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます!更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります!番外編いいですね ...お話考えてみます! (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月18日 18時