迷い ページ16
「お前...っ...上弦の壱......黒死牟だな」
上村がAを庇うように立った
「A、集中しろよ。俺たちはここでこの鬼を討たなければいけない。出来ることならお前だけでも逃がしてやりたい所だが...」
「先輩...駄目です、今は逃げるべきです......!
だってあの鬼は...!!」
「やる前から諦めるな!俺もアイツもまだやれる!
それに奴は上弦だ。何としてでも此処で討つ」
上村は黒死牟に刀を向けて後ろにいるAに言う。
切っ先は震えており、呼吸もままならない。
すると黒死牟が口を開いた。
「.....存外しぶといものだな、人間というのも」
そう言いながら静かにこちらへ歩みを進める。
真田もなんとか立ち上がり刀を黒死牟へと振るった。
「....遅い...」
「ぐぁっ!」
なんでもない事のように刀を避けた黒死牟は、自身の刀で隊士の背中を斬りつけた。
大量の血がその場に流れ落ちる。
ドサリと地面に真田は倒れ込んだ。
黒死牟はそのままこちらへ歩いてくる。
Aを庇っていた上村が黒死牟へと斬りかかろうとした時、その姿がスっと消えた。
「がっ...!」
上村は黒死牟に脇腹を斬られ、そのまま木へと投げつけられた。
Aはその場に腰を抜かし、座り込んで全てを見ていた。情けないことに何も出来なかったのだ。
黒死牟は隊士二人を斬った後、Aの方へやってきた。
「こくし、ぼう......」
先輩の言った鬼の名前を口にする。
「.........どうして、貴方が...」
喉が乾いて言葉が掠れる。
上手く話せない。
黒死牟はAの目の前で止まると、その姿を見下ろした。
123人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです!更新ずっと待ってます! (2022年2月5日 13時) (レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです!頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます!嬉しい...。更新頑張ります!! (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます!更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります!番外編いいですね ...お話考えてみます! (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月18日 18時