NRCに住む亡霊ちゃん。【ツイステ】

７話 ページ8

彼女は注意深く辺りを観察した。例えるとすればどこぞのスパイのようだ。ただ、別に隠れながらじゃなくてもいいのでは？とは思う。亡霊なのだから。


亡霊の良さをうまく発揮できないのはある種の慣れかもしれない。


『うーん、やっぱりリドルはルールと絡み付きすぎた人生だったのかな？』


ルール。これが彼の人生の根本とも言えるだろう。


『もうちょっと楽に生きてもいいのにね』


私みたいにとつきたしながら彼女は呟く。まあ、この言葉は誰にも届かない……


はずだった。


ケ「確かにそう思うけど難しいよね……」


『ん？』


もう彼女は驚かない。どうやら今年は私のことを見れる人が多いらしい……と納得しているようだ。


ケ「ヤッホー！【NRCに住む亡霊ちゃん】でしょ？よろしく！けーくんってよんでね！」


彼は人一倍明るいようだ。……まあ、そう見えるだけだが。


『……けーくんも楽に生きてもいいと思うよ？』


ケ「え？」


彼の顔から表情が抜け落ちた。それほど衝撃的な言葉だったんだろう。それを見ても彼女は言葉を続ける。


『んー、なんて言うんだろ。別に私しか聞けないし私的には周りに言いふらせないしさ、』
『もうちょっと私に素を出してくれてもいいなぁーって』


彼にとってはこの言葉はとても響いているのだろう。今までもこれから先も彼女以上に早くケイトを見分け、早く助けたものはいない。


ケ「……本当にいいの？」


『いいに決まってるでしょ！』


これより彼らの仲は深まった。……まあ、想像以上にだが


『……もうちょっと離れたら？』


ケ「えー、やだー。」


彼女はこう思う。素を出してくれるのはいいけどなんか複雑……と。


………【NRCに住む亡霊ちゃん】は人を助けたらしい。

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