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「まあアイスはともかくだ」
「ともかくしないで!私のアイスぅぅぅ!」
「ああもう!後でもう一個買ってやるから静かにしろ!
___ともかく、委員長はまだ記憶は戻っていないんだな?」
うん、と返すと三郎は苦い顔のまま溜息を吐く。
同じ委員会の委員長である先輩のことを三郎なりに考えているようで、やっぱり彼も私と同じくらいお人好しなんだと思う。
「私もあの人にはこき使われてたし、酷い目に遭ってきた。」
「それは三郎が悪戯ばかりするからだろ?藤堂先輩が怒るのも無理はないよ」
「私の話はいいんだよ!委員長の話だ!!
というか私の話を正論で遮るな!これだからい組の連中は!」
三郎をいじめるのはこの辺にしておいて。
閑話休題。本題へと移ろう。
「私の推測だが、しのぶ先輩もいずれ私達のように思い出すはずだ。
きっかけさえあれば、あとはとめどなく溢れるように思い出すだろう。」
私達がそうだったのだから、そう言う三郎の表情はどこか柔らかいものだった。
皆の仲が悪かった時……その時きっと三郎はもう思い出していて、きっと三郎なりに一人で頑張っていたんだ。
「よしよし」
三郎のふわふわの髪が絡むように撫でる。
目を見開いてポカーンとしていたと思えば、三郎の顔は頬から徐々に赤くなっていった。
「な……ッッにしてんだ阿保千代!!」
「えっ!?いや、三郎偉いなぁって感心して…つい?」
「本当阿保だなお前は!阿保のお千代!阿保千代!!」
「ちょっと!せっかく人が褒めてたのに…!」
三郎は褒められること嫌いだったっけ?
室町の時は褒めたら「当然だろ?」って意地悪そうに笑っていたと思うんだけど……
「それとお千代、お前は早めに晋太郎と仲直りするんだぞ。アイツは分かりづらいがお前に避けられて落ち込んでいるからな。」
「え……」
晋太郎が?
いや、それより……
.
.
「三郎って私達以外に友達いたんだね…」
「てっきり俺達以外の奴は敵かと思ってた」
「これだからい組の連中は…!」
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moufu0727(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました!!晋太郎くんがどタイプでした笑笑 終わりとあるのですがこれで完結なんでしょうか? (2021年5月12日 22時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - 続編おめでとうございます!続き凄く楽しみです!!更新頑張って下さい! (2020年10月26日 16時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 第3話目突入おめでとうございます!!これからも応援しています!頑張って下さい! (2020年10月26日 1時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2020年10月26日 0時