○° ページ4
「純度100%の両片思いを吸ってしまった……」
「……お千代、この酷暑で頭がやられたか?」
「へえ、藤堂先輩に会ったのか」
「おい兵助、お前あの20文字にも満たない言葉からどうやって汲み取ったんだ?」
しゃくしゃくと三郎の奢りで買ったアイスを食べながら水やりをする。
アイスの自販機で買ったソーダ味のアイスはさっぱり爽やかでこの暑い夏でも涼しいと思えてしまうほど。
「あ、輪道だ」
「んぐ……っ、」
思わず飲み込んだアイスが喉を通れば、頭がキーンと締めつけられるように痛くなる。
この痛みは彼の顔を見たせいだ。
「お千代、顔がもっと不細工になってるぞ」
「それいつも不細工ってこと?」
「千代峯は可愛いよ。けど今の顔はちょっと怖いかもしれないな。」
兵助に言われて晋太郎からそっぽを向く。
ふーんだ。いいもんね、私には前世の友達とまた仲良くなるって使命があるもんね。
「どうしたんだよ。輪道と喧嘩したのか?」
「お千代のことだから、晋太郎にちょっかいかけられた如きで不貞腐れているんだろ。」
「如きって!私にとっては如きじゃないの!!」
それに三郎も人のこと言えないんだからね!
指差すも三郎は無視してチョコミント味を食べてる。腹立つ。
「いいもん!あんな顔が良くてアイドルな人!
私はもっと、優しくて私のこといっぱい可愛がってくれるような人がいいもん!」
そう言って目の前のアイスを食べる……
そのはずのアイスは既に手元にないことに気づいたのは、口を閉じてからだった。
.
「じゃあ俺が毎日甘やかしたらそれでいいのかよ」
「晋太郎!それに私のアイス!!」
いつの間にか来ていた晋太郎に後ろから捕まえられる。おまけに人質ならぬアイス質まで取られてる。アイス質はそのまま晋太郎の口の中に……って、
「あああ…!私のソーダアイス…」
「甘いなこれ。本当にソーダ味か?」
「返して!もう信っじらんない!このアイス泥棒!」
ほとんどなくなったアイスを見てから憎たらしいほど涼しげなイケメンをキッと睨む。
「許さないぞ!許さないからなぁぁぁ!!」
「ほら千代峯、俺のアイス一粒やるから」
「豆腐キューブアイスなんていらない!兵助全部食べて!!」
「そんなアイスあんのかよ」
「あったんだよ。恐ろしいだろアイス自販機」
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moufu0727(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました!!晋太郎くんがどタイプでした笑笑 終わりとあるのですがこれで完結なんでしょうか? (2021年5月12日 22時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - 続編おめでとうございます!続き凄く楽しみです!!更新頑張って下さい! (2020年10月26日 16時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 第3話目突入おめでとうございます!!これからも応援しています!頑張って下さい! (2020年10月26日 1時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無音 | 作成日時:2020年10月26日 0時