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43話 ページ43

『…ぁ、れ……い"ッ!!』



目が覚め起き上がると同時に頭に何かをぶつけたような痛みが走った


頭を抑えて痛みが引くのを待つ




『は、ぁ…はぁ…いつの間に、部屋に……皆は…?』




いつもなら目が覚めると誰かしらがすぐに来てくれる

ムーもミケも誰もいなかった





『皆…どこ、に…』





ベッドから出てふらつきながらもドアを開けて外に出る


1階の食堂にいるのかな、そう思い階段を下りて下へと向かった





『ッ!声がする…』




よかった…皆無事だ


相当不安だったのか皆が楽しそうに笑う声を聞いて安心したのか涙が流れてくる




近付くにつれて知らない声がするのがわかる

私は少し不思議に思いながら食堂の入口へと近付きチラッとだけ覗いた






「ふふ…皆さん本当に面白いですね」




知らない女性が皆の真ん中にいる


…そして、指には私が前にはめていた指輪





それを見た瞬間上から重たい石でも落とされたかのような衝撃が走った




どういう…新しい…主…





" にゃ〜 "





聞きなれた声に再び目線を向けるとミケはその新しい主の膝に座り嬉しそうに撫でられている



あの警戒心が強いミケが私以外の人に懐いて擦り寄ってる






ベ「ッ、主様…?」


『え、ッと…』


「っ!アナタが。どうも初めまして、アナタも私と同じだったんですよね…?色々お話したいです!よろしくお願いします」




とても可愛らしくニコッと笑いかけてくれる女性




べ「主様…いえ…これからはA様。この方は新しいデピルズパレスの主様です」


『新しい…』


べ「ですがご安心下さい。A様は元の世界に帰ることができませんので…これからもここでお過ごしください」


『…力、解放…できないのに…』


ボ「…?どうかしたのか?」




…私が食堂へ入ってもミケはその新しい主から離れることなくずっと傍にいる


皆も1歩も動いてない






…そっか…私…


もう…いても、いなくても…どちらでもいい存在になったんだ









… …きっといつか…こうなるんだ










____

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作者名:しゃか | 作成日時:2022年11月23日 20時

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