検索窓
今日:12 hit、昨日:11 hit、合計:6,495 hit

27話 ページ27

・ ・






「ん…ここは…」





屋敷じゃない…ということは、主様の家か?


ここは玄関っぽいな




なんて思い足を動かすとカサッと音がして下を見ればクシャクシャになった紙が落ちていた






「…こ…れ……」



ガタン!!



「ッ!?…主様…?」




中からすごい音が聞こえふらつきながらも音がした方へと歩く



中へ入れば床には倒れてる主様、そして首には…






「A…A!!!お"いA!!!」





揺すってもぐったりとしている、脈を確認しても動いてない、息もしていない





「…何、してんだ…バカ。…言えって、…何かあれば、言えって…言っただろうが…」





…戻れば…助かるかも、しれない…

きっと…ルカス、さん…なら…





" ミ…ィ… "





「ッ…猫…?」





あの紙にはああなりたくなければと書いていた

…人間ってやつは、どこも変わらねえんだな




「…主様、ずっとこいつが心配でちょくちょくここの世界に帰ってたんだな。…こいつも、こっちの世界に来れば…Aはずっと傍にいてくれるのか」




近くに落ちていた指輪を拾って猫を抱き上げ主様の指に指輪をはめた


しかし…何故か何も反応が無かった




「ダメ、か……なぁ、なんでアンタは今まで黙ってたんだ。…まさか…俺らのこと、気にして…黙ってた、わけじゃ…ねぇだろ…だから、…だから、俺が悪魔執事になったきっかけ聞いてきたんだろ」





泣くなんて柄じゃない、そんなことを思いここ暫くずっと泣いていなかった


それなのにこんなに涙が流れるなんて






「…A」





軽く冷たくなった手を握ると指輪がコツンとぶつかる音がした






「頼む…ずっと…傍に、いてくれ……返事はいらないなんて、嘘だ。…俺の傍に…いて欲しい」






そう震える声で呟きながら顔を近付け唇を重ねた










___

28話→←26話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しゃか | 作成日時:2022年11月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。