35話 ページ35
『…』
(そんなに難しいか)
『うっっっわびっくりした!!』
(うるさい)
『ほんといきなり声かけないでよ怖いな。…中々難しいの、流石お兄ちゃんって感じ』
(…)
『あっ兄さん明日学校帰り暇?』
(そういえばお前が発売を楽しみにしてたゲーム明日だったな)
『だから一緒に行こ、用事あるなら別にいいけど』
(特に見たいテレビもないから行ってやる)
『たまに出てくるその言い方ほんと腹立つよね』
_____________________
__________
『…で?なんで鳥束と命もいて喫茶店にいるの今』
「えーだって楠雄とAがここに来るって予知ったから来ただけ」
「俺はただAさん見かけたんで追いかけました」
『鳥束言い残すことはそれだけ?』
「なんで俺だけ!?」
『はぁ…ゲーム買ったあと喫茶店寄ろうなんて誰が言ったんだか』
(小腹が空いたから寄りたいって言ったのはお前だ)
『う…その通りだけど…食べたら即出よ』
(あぁ)
「えーいいじゃないすかゆっくりしましょうよ」
『やだ』
「つかちょっと気になったんだけどAって高校卒業したら何かなりたいとかあんの?」
『いきなりだな…なんで』
「いや楠雄はなんかなんでも出来そうだけどAはなんかなるんかなーって」
『…獣医になりたいなとは思ってる』
「獣医?」
『兄さんはほぼなんでも出来るけど私は動物の声しか聞けない。…今までこの能力があってよかったなんて思ったことないの、だからもし獣医になればこの能力があってよかったって思えるのかなって思って』
「でも動物の声が聞こえる分ツラいんじゃないすか?」
『多分ね、でも聞こえるから助けることも出来るかもしれない。ツラいことの方が多いかもしれないけど私はそれでもなりたいと思ってる』
「へーっめっちゃいい子じゃん」
『って…なんで私こんな真剣に話してるんだか…』
(いい夢なんじゃないか、僕には出来ないことだ)
…兄さん助けないとか言いながら何だかんだで助けてるんだよな
いい人なんだか悪い人なんだか
『鳥束は住職?』
「えぇ…」
『いやえぇって』
(こんな煩悩出できたようなやつだ、できそうにない気がするがな)
「ちょっ酷いっすよそれ!!」
『まぁ兄さんの言う通り』
____
111人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゃか | 作成日時:2019年10月20日 11時