ぶつかった相手は893(碧棺左馬刻)

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『…うっわ…雨か』



やば…傘持ってきてない



「よっ…て､傘忘れたのか?」


『先輩…はい』


「俺の貸そうか?というか一緒に入ってっても」

『遠慮します』


「相変わらずつめてーな…俺の使うか?折りたたみだけど」


『大丈夫です｡迎えが来るので』


「…迎え?」


『友達ですよ｡…ほら､早く帰らないと雨ひどくなりますよ』


「たく…気をつけて帰れよ｡じゃあまた明日」


『はい』




さて…左馬刻さんはいつ来るかな







･






･




暫く携帯を触っていると画面に左馬刻さんという文字が現れる



「わりぃ遅くなった｡車で来てっから」


『今行きます』



あの黒い車かな

というか運転してるのは…知らない人っぽい
まさかヤクザ…??


って…左馬刻さんもヤクザだし




後ろのドアを開けると左馬刻さんが座っていてよお､とタバコを消して挨拶をする

ので私も軽く会釈をして車に乗り込む




「変なやつに声かけられてねぇだろうな」


『大丈夫ですよ｡ずっと建物の中にいましたし』


「ならいいけどよ」


『…』





…そういえば昨日左馬刻さんにお前は可愛いから狙われるって言われたんだっけな



ダメだ…思い出したら暑くなってきた




「…おい」


『はっはい…なんでしょうか…?』


「昨日､変な事言って悪かったな」


『変な事…あ､いや…別に…』


「…でもあれは嘘じゃねぇ､本心だ」


『っ…』




んな…こと言われても…


どう反応しろと…





「ｯﾁ…クソッ…んな反応されっと期待すんだろ」



左馬刻さんは頭をガシガシとかいてボソリと何かを呟いた



『何か…?』


「んでもねぇ｡…おい､そこ左曲がれ」


『えっどこいく気です!?』


「ホテル」


『はっ!?』


「くっ…はははっ!!嘘だよ､真っ赤にしやがって」


『べっ別に赤くなんか!!』


「今も赤くなってんぞ」





そう言われ両手で頬を隠すようにすると隣からクスクスという笑い声が聞こえてくる



「ほんと可愛いやつだな｡…お前用事ねぇだろ」


『なんか決めつけられてる…まぁないですけど』


「飯食いに行くぞ」


『えっ…いや､待ってください!!お金とか…』


「気にすんな｡俺の奢りだ」


『えぇ…悪いですよ…お世話になってるのに奢ってもらうなんて』


「気にすんなつってんだろ｡…俺がそうしてぇんだよ」


『…ま…まぁ…はい』




今度…なんか作って持ってこようかな


というか…男の人と2人きりで食事って…






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