無表情〈降谷零/安室透〉

にじゅうご ページ25

「よかったですね､怪我大したことなくて」


医者によると2週間くらいで治ると言われた
診察をしている途中に二人の刑事がやって来たのであったことをすべて話した


私が意識を失う前に見たのは首元にホクロが2つ､手袋と袖の間にチラッと見えたがそこには刺青のようなものがあった



「ねぇ､お姉さんの片目怪我してるの?」


歩美ちゃんが足を止めて私を見つめて質問してくる



怪我…って言いたい

しかし



めっちゃ純粋な目で見てくる




いや…お姉さん嘘言えないそんなん…




いや何がお姉さんだよ…もうそろ三十路やぞ




『…見たい?』


「いいの?」


『…ん､片目の色が違うの』


「うわぁ姉ちゃんの片目赤いな!」


「オッドアイっというやつですね」


「すごーい!綺麗〜!!」


思っていた反応と違う




灰原哀さんや江戸川コナンさんはジーッと見るだけ




…気持ち悪いって…思ってるのかな



『ご…ごめんね｡こんなの見せて』



急いで眼帯をすると



「どうして眼帯するの?」



江戸川コナンさんがキョトンとして質問する


何この子…あざとい…




『…気持ち悪いって思う人が､いるから』


「酷い人がいるのね｡綺麗な目をしてるのに」




今度は灰原哀さんが口を開く




…



…




まってこの子達いい子





「お姉さん携帯とかありますか?」


『バッテリーが切れたから置いてきたの』


「だから歩いて来たのね」


『うん』


「じゃあ……はい!これ僕の連絡先です｡何かあったら連絡してくださいね!!」



そう言い紙を渡された


『…ありがとう』




小学生…だよね




携帯持つのはや





最近はこうなのか…?




「ねぇねぇ､お姉さん倒れてた時泣いてたけどそんなに痛かったの?」


歩美ちゃんが私の袖を引っ張る


『…泣いてた…?私が?』


「そういや泣いてたな｡そんなに痛かったのか?」


…そういえば､何か…


誰かのことを考えてた気がする｡でも全然思い出せない


『…ごめん､わからない｡多分痛かったからかな』


「頭殴られたら痛いもんな!」


『…うん｡あ､そうだ…今は無理だけど今度お礼させて｡ジュースとかしか奢れないけど』


「そんな!?いいですよ!!僕達は当たり前なことをしただけですから!!」




あぁいい子…





『んーん｡お礼させて｡…私のオススメの喫茶店があるから｡今度連絡するね』








___

にじゅうろく→←にじゅうよん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す