ゴールデンレトリバーとロシアンブルー④ (ページ38)

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キスとハグ 2 ページ38

ｰ陸side

最近、RAMPAGEのファンが増えるのと共にAへのアンチも増えていた。

彼女はファンの人に認めてもらおうと頑張っていて、最近は居残り練習をすることが増えた。

…俺のことも頼って欲しいんだけどなぁ。

Aは俺の前で弱音を吐かない。

それが少し寂しかった。

陸「…もっと頼ってよ、A。」

そう呟いて寝息を立てるAの鼻を軽くつまむ。

A「んん…。」

Aが顔をしかめた。

やば、と慌てて手を離す。

A「ん…、りくさん…。」

陸「ん？起きてるの？」

A「…。」

陸「…寝言かい。」

ていうか、寝言で俺のこと呼ぶってどれだけ俺のこと好きなのさ。

Aの顔を見ていると、どんどん愛しさが募っていく。

陸「…。」

しばらく頬杖をついてゆっくりとAの髪を撫でていると、ふと彼女の目が開いた。

陸「…あ、ごめん、起こしちゃった？」

A「んーん…。」

もぞもぞとAが俺の胸に引っ付く。

陸「どうしたの、甘えんぼさん。」

A「ん…。」

陸「何かあったなら、話聞くよ？」

A「…ぎゅってしてください。」

陸「はいはい。」

抱き締めてやると、Aはほっと息を吐いた。

A「…陸さん。」

陸「なーに？」

A「…私、あんまり話すの得意やないから…。
やから、何かあってもあんまり相談とかできへんけどたまにこんな風にぎゅってしてもらってもいいですか。」

陸「お安い御用だよ、それくらい。
毎日ぎゅーしてあげるね。」

A「…ありがとうございます。」

陸「うん。」

A「…それと、」

陸「ん？」

A「…ちゅーもしてくれたら、嬉しいです。」

陸「いいよ、してあげる。」

そう言って早速Aにキスすると、彼女はふにゃりと笑った。

…ああ、くそ。

今のA、写真に撮りたかった。

寝起きと眠いときのAはとにかく甘えん坊だ。

A「陸さん、こっち来て？」

陸「はいはい。どうしたの？」

A「…陸さんが隣おらんと寝れへんの！」

陸「俺はどこにも行かないよ。
ずっとAのそばにいてあげる。」

A「ほんま？」

陸「本当だよ。
だから、安心して寝ていいよ。」

Aに腕枕をしてやると、Aはふっと微笑んで目を閉じた。

俺はその寝顔を写真に撮ってからそっとAにキスして目を閉じた。