ゴールデンレトリバーとロシアンブルー④ (ページ22)

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バレンタイン 3 ページ22

ｰAside

食事のあと、私は陸さんに聞いた。

A「陸さん、コーヒーと紅茶どっちがいいですか？」

陸「んー、コーヒーがいいな。」

A「はい。」

お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、チーズケーキと一緒にテーブルに運ぶ。

A「ハッピーバレンタインです、陸さん。」

陸「えっ、これAの手作り？」

A「…まぁ、一応。」

陸「え、やばい嬉しい！
うわっ、めちゃくちゃ美味しそう！」

陸さんが写真を撮り始める。

陸「あとでインスタにあげよっと。
食べてもいい？」

A「はい、どうぞ。」

陸「いただきます！」

チーズケーキを頬張った陸さんが破顔した。

陸「美味ぁ！」

その言葉にほっとして、にこにこしながらケーキを頬張る陸さんをカメラに収める。

シャッター音に陸さんが顔を上げた。

陸「…今撮った？」

A「はい。
私もインスタにあげようと思って。」

陸「えっ、ちょ、やめてよ！」

A「なんでですか？
結構上手く撮れてると思いますけど。」

陸「…。」

陸さんが頬を膨らませて私を見る。

その写真も撮ると陸さんは焦ったように頬をへこませた。

陸「もう！」

A「陸さん、食べないならもう下げてもいいですか？」

陸「ダメダメダメ！食べる！」

慌ててケーキにがっつく陸さん。

直後、見事にむせた。

陸「げほっ！」

A「あーあー、慌てて食べるからですよ。
大丈夫ですか？」

とんとんと陸さんの背中を叩くと、彼は涙目で私を見た。