ゴールデンレトリバーとロシアンブルー④ (ページ13)

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風邪 5 ページ13

ｰ陸side

…熱、出た。

次の日、俺はベッドで寝込んでいた。

仕事終わりのAがお見舞いに来てくれる。

A「陸さん、大丈夫ですか…？」

陸「ん、多分明日には治るよ。」

A「そうですか。
でも陸さんに伝染るのおかしいですね、キスもしてないのに…。」

Aの言葉にギクリと固まる。

A「ん？」

陸「や、なんでもないです…。」

愛想笑いで誤魔化そうとした俺を冷たい目で見るA。

A「…陸さん？」

陸「えっと、実は昨日Aにキスしました…。」

A「は？」

陸「ごめんなさい！」

A「風邪伝染るからダメだって言いましたよね私！
それをなんですか、無視してキスしたのがこのザマですか！
陸さんはバカなんですかええバカなんでしょうね、知ってましたとも！」

陸「や、でもね？
俺がキスしたのおでこ…。」

A「だからなんなんですか！
陸さんが風邪引いたって事実は変わらないじゃないですか！」

陸「はい…。」

A「分かってますか、もうすぐツアーが始まるんですよ！」

陸「はい…。」

A「自業自得です、私は帰ります！
明日治ってなかったら、怒りますから！」

陸「はい…。」

そう言って足音も荒く寝室を出て行こうとしたAは、ドアノブに手を掛けた状態で俺を振り返った。

陸「？」

A「…陸さんがいないとつまんないから、早くよくなってください。」

小声で言ったその言葉は、はっきりと俺の耳に飛び込んできた。

陸「今日中に治します！」

A「…。」

Aは無言で顔を背けると、俺の家を出て行った。

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翌朝

陸「おっはようございまーす。」

陣「風邪もう大丈夫なんか？」

陸「うん！
あ、Aおはよう。」

A「おはようございます。」

陸「え、それだけ？
もっとなんかこうさ、陸さん治ってよかった、大好き！とか無いの？」

A「はっ？」

陸「調子乗りました、ごめんなさい。」