ゴールデンレトリバーとロシアンブルー

Boyfriend 4 ページ14

ｰAside

そしてやって来た武者修行ファイナルの日。

私たち17人は、全員“候補生”から“メンバー”になった。

嬉しくて、涙が止まらなかった。

泣きながら陸さんに抱き着くと、彼は黙って抱き締め返してくれた。

ファイナルが終わったあと、翔吾に言われた。



翔吾 “良かったな。”

A “うん。”

翔吾 “ほんでな、A。
お前今から全員のこと下の名前で呼べ。”

A “は？”

翔吾 “仲良くなりたいんやろ？”

A “そう、やけど…。”

翔吾 “大丈夫やって、な？
騙されたと思ってやってみ”

A “…分かった。”



1人1人名前をつっかえながらさん付けで呼び、“よろしくお願いします。”と頭を下げると沈黙が降りた。



RMPG “…。”



恥ずかしくなって部屋を出ようとすると翔吾に止められた。



翔吾 “ちょ、お前どこ行くねん！”

A “…帰る。”

翔吾 “はっ？何言うてんねんお前！”

A “何が騙されたと思って、や！
ほんまに騙されたわ！翔吾のアホ！”



笑い声がして、見ると私と翔吾以外の15人が大笑いしていた。

…なんも面白いことなんか無いわ。

力矢さんが近付いてきて、私の頭に手を置くと言った。



力矢 “こちらこそよろしく、A。”



その瞬間、嬉しくて涙が出た。

力矢さんが慌て出す。



力矢 “え、ちょ、え!?なんで泣くの!?”

A “ごめ、なさ…っ。”

陸 “力矢さんが怖かったんですよ。”



茶化したのは陸さん。

慌てて首を振る。



A “そ、じゃなくて…、嬉し、くて…っ。”



そう言うと、力矢さんは私の頭を優しく撫でてくれた。

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