�将将将� ページ33
翌日、私はいつも通り起きていつも通り身支度をする。ただ1つ違うのは、今日は街に出掛けるという事くらいだ。
髪の毛を整え、ずっとクローゼットにしまっていた自分の私服を着る。姿見の前でぐるっと一回転させ全身を見れば、それはもうここに迷い込む前の自分そのものだった。
あとは道具入りの鞄さえあれば完璧なのに.....。
「A〜起きてる？開けんで。」
返事をするまもなくセンラさんが扉を開ける。そして私を目に入れれば思いっきり笑って撫でてきた。
「ほんまにべっぴんさんやな〜。可愛ええわぁ。」
「え、あ...ありがとうございます...？」
「なんで疑問形なんねん褒めてるんやけど。」
「すみません、突然言われるなんて思っていなくて...。」
「あーそれはごめんなぁ、なんか口走ってしまったわ。それにしても本当に可愛ええ。ほかの3匹に見せなくないわぁ。」
そんな事を言いながらいつまでも笑いながら撫でてくるセンラさん。ちょっと撫で過ぎでは？なんて思うけれど、ここ数日間で撫でられる事が好きになってしまったので止めることはしなかった。
暫くセンラさんに撫でられ、乱れてしまった髪の毛を流した後、2人で談話室へ向かう。そろそろみんな集合してる頃だろうななんて思っているとセンラさんが急に立ち止まった。
「どうしたんですか、センラさん。」
「いや.....匂いしてな...。」
「...？ また魔物の匂いですか？」
「んー...でもこっからは見えへんし...気のせいやと思う。」
窓から外の様子を伺うセンラさん。
魔物は目もいいらしい。センラさん曰くここから1キロ先までは余裕で見えるのだとか。方眼鏡じゃないですか。
「.......A。」
「はい...っ！？」
私が返事すると同時にセンラさんは右手の甲にキスをした。当然私は驚き少しだけ後ろに下がる。
「な！なんでいきなりそんな事を...！」
「ああごめん！深い意味はないんや。ただお守りというか。」
「へ...お守り...？」
「俺の魔力を込めたからあんまり敵は襲いかかって来なくなるんよ。簡単に言えばAは今俺と同じ魔族になってる事になる。」
魔力ってそんな使い方もあるんだ...。でも確かに、そのままで街なんて行ったら人間だってバレるよね...。
「ありがとうございますセンラさん。」
「んーん、全然ええよ。ほら、3匹も待ってるだろうし行こか。」
歩き出すセンラさんの耳がほのかに赤くなっている気がした。
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FAMIRA - 更新止まってるので戻ってきてください！！とても面白かったです！ (2022年10月8日 9時) (
レス) @page24 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年10月27日 15時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - さなやまさん» さなやま様応援ありがとうございます！！！亀さん更新ですが精一杯頑張ります(((((泣 (2020年6月11日 22時) (レス) id: e953562a4f (このIDを非表示/違反報告)
さなやま - 面白い作品に出会ってしまった…！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 16時) (レス) id: 6a49bba79c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無花果 | 作者ホームページ：http://gokutozihen
作成日時：2020年1月4日 16時
