�将将� ページ22
私の言葉を最後に暫く沈黙が続いた。
私は黙って下を向き、皆さんは残りのパンを食べていた。
何もすることがないので体についている汚れをはたいていたら、それに気づいたのか坂田さんが口を開いた。
「Aお風呂入る？」
「え…あるんですか…？」
「あるで。入るんだったら用意するで、センラが。」
「なんっっっで俺やねん！」
素早いセンラさんのツッコミが入る。
それに思わず笑ってしまう。
「ありがとうございます、その…もし良かったら入りたいです。」
「いいんじゃない？A結構穢れてるしな。」
「けがれ…え？」
「ああいや、こっちの話や。」
「それなら準備してきますんでそこで待っててな？」
「ありがとうございますセンラさん。」
そう言ってセンラさんはどこかに行ってしまった。
小さい体じゃ食器の片付けも出来やしない…。
「すみません…ご迷惑ばかりかけてしまって…。」
はぁとため息をつくと、浦田さんが別にいいと慰めてくれた。お優しい。
「なんなら、一緒に入るか？」
浦田さんがニヤッと意地悪な顔をする。
前言撤回。
やっぱり意地悪。
「…魔物さん達もお風呂入るんですね。」
「サラッとスルーしやがったこいつ。」
「まあまあ、一応入るで時々。」
「時々…。」
「俺ら魔力で洗い流せるからな。そう滅多に入らんのや。」
魔力をそんな事に使うのかと少し驚いた。
それなら直ぐに終わりそう…。時間ない時にやって欲しい…。
「魔力で洗い流せるのなら…尚更要らないのでは…？」
「そうだな。だが俺達だって穢れる。」
「穢れる…。その、穢れって…どういう意味ですか？」
「うーん、まぁ簡単に説明すると戦った時の汚れやな。」
「魔界って力で偉いとか決めるんよ。あとは…人間を脅かした数とか！」
なんだそれと心の中でつっこんでしまう。
面白いことで地位が決まるんだな…。
「まぁ、脅かす方はあんまり点数に入らないけどな。」
「…そうなんですね…？」
「ああ、そういうのは雑魚どもがやることだ。」
紅茶を啜りながら浦田さんが言い放つ。
なんだか言葉の重みが違う。
「A知ってる？この点数稼ぎがハロウィンの起源なんやで！」
「え、そうなんですか？」
「脅かしてお菓子を貰った分点数が上がる。それが本当のハロウィンの起源！」
「へぇ…。」
脅かして貰った分が点数………なんか、物騒なのに可愛いな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
FAMIRA - 更新止まってるので戻ってきてください！！とても面白かったです！ (2022年10月8日 9時) (
レス) @page24 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年10月27日 15時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - さなやまさん» さなやま様応援ありがとうございます！！！亀さん更新ですが精一杯頑張ります(((((泣 (2020年6月11日 22時) (レス) id: e953562a4f (このIDを非表示/違反報告)
さなやま - 面白い作品に出会ってしまった…！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 16時) (レス) id: 6a49bba79c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無花果 | 作者ホームページ：http://gokutozihen
作成日時：2020年1月4日 16時
