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神道の方式で葬儀を迎えた先祖達は
その家の神として祀られることになる
それは禁術に繋がれた者達も変わらない
ただ、表と裏があるように
寿命以外の死に方を迎えた者は
神の忌み嫌う事をしたとして
“
それは御霊の数だけ負の歴史を持つ事から
より強大な力になるとされ
最終奥義として真那井家に存在するものだった
【カワイソウニ。男ニ捨テラレタノカエ】
【オ労シヤ……】
【嗚呼、悲シキ思イ出ガ蘇ル】
脳裏に響く声達は私の心を蝕むような声で
姿も生前の姿など到底想像も出来ないような醜い姿だった
どんな思いで最期を迎えたら
こんな姿に変わってしまうのだろう
「私は結婚を約束した方がいました。
しかしとある事件を引き金にその方は封印され
一生出られぬ身となりました」
私が身の上を話し出すと彼女達の声はどよめいていた
「決してその方が悪事を働いた訳ではありません。
反対組織とぶつかったと思っていただければと思います。
なれど、その封印を解いた者も罪人と掟があります」
【ナント酷ナ】
【ヨクアル話ジャ】
「そうしているうちに
私は別の方の元へ無理矢理嫁がされ身重になりました」
【考エタダケデモオゾマシイ】
【昔カラ男ドモノ考エハ鬼ジャ】
「私は今でも封印された人を想っています。
ですが旦那様はそれをお許しにはならないでしょう」
【結婚トハソウイウモノジャ】
「今年の冬に封印された人と結婚するはずでした。
11年も待たされてやっと…結婚できると思ったのに……」
話していくうちに私は涙が止まらなくなっていた
「だから私はお腹の子と共に生きるという道を捨てました」
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