I still remember how much we enjoyed. ページ25
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「A」
聞き覚えのある声に目が覚める
ハッとして目を覚ますとそこには私の顔を覗き込む人がいた
耳たぶにある大きな黒いピアス
特徴的な前髪にお団子ヘア
「えっ!?傑!?その前にここ何処?どういうこと!?」
「……待ってたんだよ、君を」
「いやいや待ってちゃんと説明してここどこ!?」
困惑する私に対して高専の制服をきた傑は眉を下げて笑うと次の瞬間には私を抱きしめた
「良かった。また会えて。
君が闇に繋がれるんじゃないかと思ってた」
「……あー、なるほど。私、ちゃんと死ねたのね」
また変な夢を見てるのかと思った
なんて話す私に傑はそうだよ、と返してくれる
「君のお兄さんが裏御霊鎮めをしたらしい」
「……じゃあ伊織さん達は…?」
「さぁ……そこまではちょっと私も分からないかな」
それより、と傑が私を離してまじまじと見つめてきた
「こうしてまた君に会えてよかった」
「……うん」
なんだか懐かしくなって泣きそうになったから
誤魔化すかのように私は声をあげる
「しんみりするのやめてよ、せっかく再会したんだから!
こぉんなに早く再会するとは思わなかったけど!」
「そうだね、それは私もかな」
よくよく見れば傑の奥には七海さんや灰原くんがいた
「嘘!?灰原君!?久しぶりー!!」
「Aちゃんこそ!全然変わらないね!」
「ちゃんと会うのは実習ぶりだねー!」
「まぁ僕があれからすぐあぁなっちゃったしね」
なんて話してたら七海さんがため息をつく
「シャレにならない話を持ち込むのはやめてくださいよ」
七海さんにとってはあれはトラウマだっただろうしなぁ
「七海さん、渋谷事変お疲れ様でした」
「貴方こそ」
「…私は特に何もしてないわ。羂索も倒し損ねたし」
「いえそうではなく、
五条家の当主夫人代理として最期まで走り抜けた事です」
その言葉に涙が込上げる
「……そう言ってくれるなら私も楽になれるわ。
結局悟さんが仕立てた白無垢着れなかったけど」
「羂索が持ってきた白無垢は着れたじゃないですか!」
「灰原」
そうじゃない
と言わんばかりに七海さんは灰原くんのことを制止していた
「……悟さん、宿儺ともうすぐ対戦するでしょう?
本当はその支度まで見届けて、あの人を見送って
帰りを待つつもりでしたのに……
それも叶わないことがとても悔しいんです、私」
何よりも
「……あの人に後添いなんて出来たら私祝福できるかしら」
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