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【ソナタハモウジキ闇夜ニ繋ガレル】




私の脳に響く声は酷く頭痛を呼び起こした



「奥様、気をしっかり」
【約束ヲ破ッタ罰ジャ】
【コノ災イカラハ逃ゲラレヌ】



分かってる、分かってるわ、逃げられないことくらい



だから



「力を貸して……」



それだけでいいの、それだけでいいから



どんどんと増幅する力は
やがて私では抑えられなくなりそうだった
自分を保てるのもわずかかもしれない



でもその代わり、羂索を追い込むことは出来てる



あともう一歩、あともう一歩!
そう思っていた矢先の事だった



「君は本当に私のかつての妻に似ているよ」
「は……?」
「三百年くらい前かな
私の事を心底愛してくれた妻がいてね
とても綺麗な子だったんだけど、神力使いだったから
その力を失わせるのが勿体なくて
手を出さずに来た子がいた」
「……?」
「今思えば手を出してあげた方が良かったんだろうけど
中々に惜しくてね、側室を何人か迎えたら
それが引き金になったのか…
返って妻の負担になったみたいでね
禪院家の奥に蔵があるのは知ってるかい?
そこで首を吊って死んでしまった子がいたんだよ。
その子の口癖と君の口癖が瓜二つで
不思議な気持ちになったよ」



それって……



「真那井伊織……」

私がそう口にした時羂索は眉を下げて笑った



「私の妻の1人だった」



まるで今まで埋まらなかったパズルのピースが埋まるように
私の中で羂索に対する思いがあてはまっていく



時折私を見ながら誰かを思うような瞳は
私に似ていたという先祖を思い出していたのだろう



【……旦那様……?】

その瞬間、私の脳裏で誰かの声が響く



「…伊織、君もいたのか」
【何故旦那様ガココニ…】
「色々あってね、君にまさか会えるとは思いもしなかったよ」



その人は何かを苦しんでいるようだった



半分体を取られていた私は

自分の自我に関係なく涙が溢れて止まらない



「伊織……すまなかった。
君に辛い思いをさせたのは私だ」
【いいえ……いいえ……!】



〃→←〃



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設定タグ:夏油傑 , 五条悟 , 呪術廻戦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年1月9日 21時

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