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「先生、これで良かったん?」
「いやいい。あれで良かった。
悠仁のお陰でAは幸せな最期だった」



傑に抱きしめられて逝けたしね



「家入さん到着しました!!!」




その直後に後ろの方でそんな声が聞こえてきた




「五条すまない!遅くなった」
「いやいいよ」
「Aは……っ!」



硝子が息を飲んだのがわかった



「すぐに処置するから_」
「いや硝子でも無理だよ」




すぐに反転術式を使おうとする硝子に僕は首を振る



「これはAが自分でかけた呪いだ」



何を思ったのかAは禁忌をおかしていた



「…俗に言う禁術、Aが使うのは2度目かな」
「しかも厄介な方よ」



口を開いたのはお義姉さんだった



「神力使いの娘は結婚と同時にその力を外される。
だから本来使うことの出来ないものなの。
ただ、表があれば裏がある
光があれば闇があるのと同じように
私の家には禁術と呼ばれる本来使うことを拒まれる術が
いくつか存在するわ。
そのうちの一つが自分を依代に再び神を宿すもの
Aが使ったのはそれね」
「……神力がないのにどうやってするん?」


悠仁の一言にお義姉さんは一瞬顔を歪める
でも何かを諦めたかのように口を開いた



「禁術は、何かと引き換えに
見返りを求める神の力を借りて行うのよ」
「じゃあ自分の命を代償にしたってことなん!?」
「恐らくね」



もう二度と目を開けないAの顔から体にかけて
僕は自分の服を上から被せ
そのままピクリとも動かない体を抱き上げる



「五条君。Aに何があったかみたい」
「どうやって見るんですかって言いたいけど
お宅の白蛇は有能な使いでしたね」
「見れないものは無いからね」
「せめてこの姿が大衆に晒されないとこに行かせてくださいよ」



そう言って運ばれたのは硝子が使う手術室だった



「ごめんねA。
ちょっと硬いかもしれないけどここに寝てね」



返事なんてかえってこないのに話しかけてしまう



「硝子、温かいタオル貸して」
「……これでいいか?」
「うん、ありがとう」



寝かせた後今度は血だらけの顔を拭いてあげた
痛々しい姿は少しは緩和されて
綺麗な顔がどこも欠損することなく存在したことに安堵した



「眠ってるみたいだって有り触れた言葉はよく聞くけど
ほんとにそう思うよ。穏やかな顔しすぎだろ」



最期の顔がそれなら僕も少しは安心するよ



「それじゃあ始めるか」



A、お前は恥ずかしいかもしれないけど
少しだけ見せて、お前の人生




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設定タグ:夏油傑 , 五条悟 , 呪術廻戦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年1月9日 21時

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