〃 ページ6
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「いつまでいるんだ」
殺意に満ち溢れたような
敵意むき出しの声が背後から聞こえ
袈裟を纏った長い髪の男が振り返る
＿＿＿＿そう、羂索だ
「仕方ないだろう今は」
大目に見てくれるといいんだけど
等といっていると不意に場に似つかわしくない
着信音が鳴り響いた
はぁ、とため息をつくと羂索はその音を止め
耳元に当てた
「もしもし？A？
……うん。うん私は大丈夫だよ。
もう少ししたら帰るから、それまで待っていてくれるかい。
うん、勿論だよ。お土産は何がいいかな。
決まったらまた連絡をくれるかい。
うん。じゃあきるよ。うん。うん…」
電話が終わった途端、無表情でボタンを押し
再びため息をついてめんどくさそうに懐にケータイをいれる
「その女、死んだことになっているらしいな」
不敵な笑みを上げながら現れたのは宿儺だ
「まぁね」
「
「半分正解で半分不正解かな」
穏やかに答える羂索に対して
趣味の悪いことを、と口角を上げながら呟く
「自分がかけられていた呪いに気がついた瞬間、
母屋の2階から飛び降りてね、しまったと思ったけど
落ちたところが偶然にも柔らかい土の上でね
母子共に無事だったんだよ」
「……身篭ってるのか」
「神力使いだからね、必要に越したことはないかなって」
「どこまでも悪趣味な奴だな」
その言葉に羂索は穏やかに笑った
「目が覚めるのに2日はかかったけど
残念ながら記憶がなくなっててね
彼女の心は
だから私の事は
ずっと電話をくれるんだよ、困ったことに」
「身ごもったことさえ知らぬのか？」
「流石にそれはまずいから教えてあげたよ。
だから彼女の中では
羂索の言葉にケヒッと声を上げて笑っていると
すぐそばで話を聞き続けていた裏梅が口を挟んだ
「何故死んだことにした？」
「その方が五条悟にダメージがあるんじゃないかと思ってね、
それだけの事だよ。
それにもうAを探す人は消える」
「都合が良かったって事だな」
・
思い出すのは後に渋谷事変と呼ばれる時のことだ
「A」
そう名前を呼ぶとまるで時が止まったかのように
女の動きは止まった
「A、ここにいては危ないよ」
私がいるから
羂索は笑いをこらえるのを必死で抑えていた
・
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