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「あ!母様!!」
「これはこれは菫殿。元気いっぱいであられる」



藤の娘が駆け寄ってきても笑顔で抱き上げて
まるで実の母のように振る舞う姿も
生みの親でない伊織に懐いている子供たちを見るに
伊織は普段から可愛がっているのだろうと思うと
健気で可愛らしくてね



「旦那様、伊織様、ご機嫌麗しゅうございます」
「藤、菫はまた少し大きくなったね」
「はい。お陰様で」
「菫は母君に似て優しいお子ね」
「勿体なきお言葉にございます」



藤は公家の娘で品があった
おっとりしたところが伊織と上手くいったのか
藤と伊織はよく顔を合わせていた



「時に、竹はどうしてる?」
「それが……気分が優れないからと部屋から出てきておりません」
「そうか」



竹は伊織によく似た娘だったから私が貰ってきた
だが出産後からあまり表に顔を出さず
産後の経過が悪いのかと噂されていたくらいだった



「あとで見舞いの品を私から送りましょう」



そんな竹に伊織も心配をしていたが
恐らく竹は伊織に配慮をしていたんだろうね



あくまでも自分は側室、それが理解出来る子で良かったよ



「私は少しその辺を歩いてくるよ。伊織、一緒においで」
「はい」
「行ってらっしゃいませ」



伊織は神力使い
一度失えば二度とその力を戻すことは出来ないから
子供は諦めようと思っていた
三人も側室がいればそのうち一人くらい
呪力持ちを生むだろうしね



「君には本当に感謝してるよ伊織」
「急になんです」



綺麗だけどか弱い子じゃなくてね
凛々しい子だった



「君だけだよ。
権力に目を向けず純粋に私だけを見てるのは」



君を妻にして本当に良かった



「お松は首が座るようになりました。のう?お松」
「ホホホ、伊織様がまさか母親らしゅうされるなど」
「……口を慎まれよ梅殿」
「庇う気かえ藤の方様。
あのようなままごとが言えるのは子がいないからじゃ」
「梅殿、伊織様の前でなんと言うことを」
「だってそうであろう。
わらわや藤の方様と違い、伊織様には子はおらぬ」
「……子供の前でそのような話はおやめなさい。
聞こえてますよ」



体調の優れない竹の代わり
表での行事には全て伊織が松を連れて参加するようになり
梅との溝は益々出来たようだった



「梅、君はもう少し
伊織の言うことを大人しく聞いてくれないか」
「旦那様まで伊織様の肩を持つのですか!?
日頃私がどんな思いをしているかなど知らずに!」
「伊織が君に何を……いやもういい。わかったよ。
とにかく君はもう少し落ち着いてくれ」



〃→←慶長御三家事件



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設定タグ:夏油傑 , 五条悟 , 呪術廻戦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年5月30日 13時

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