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「悟さんでもいい、硝子さんでもいい、
夜蛾学長……夜蛾先生でもいいの。
貴方が頼れる人、話しやすい人に思いの丈をぶつけて」
ね?とAは首を傾げながら問いかける
その瞳は潤み、瞬きをすれば涙がこぼれそうだった
「ねぇ傑。心の底から笑って」
___五条から夏油が最期に言い残した言葉を聞いていた
あの頃から薄々気がついていたが
やはりそうだったのかと
自分は彼女だったのに何も出来なかったのかと
力が抜けて立てなくなるほど悔んだ
そんなAをみて何かを察知したかのように
夏油は彼女を抱きしめた
「すまないA」
「…やぁね……何に謝ってるの」
「未来の私は君を深く…傷つけてしまったんだろう…?」
彼女が生きている時代には
もう夏油は居ないなんて言えなかった
「そうでないと…君にそんな言葉も、そんな顔もさせなかったと思う。
未来の私に代わって謝らせてくれ」
呆れたように笑うとAは夏油に腕を回す
「いいのよもう。貴方謝ってばかりで聞き飽きたわ」
百鬼夜行の起きた日も謝られた
もう彼の口からごめん等という言葉は聞きたくなかった
「その代わりもう少しだけこのままでいてもいい?」
「悟に怒られる時は一緒だ」
「……うん…」
もう二度と触れることが出来ないと思っていた温もりは
確かに自分を強く抱き締めてくれている
「ねぇA」
「ん?」
「悪いことを言ってもいいかい」
「なぁに」
「……キスしてもいいかな」
そんな話をしていた矢先、彼女の脳裏に記憶が刻まれる
“傑とキスしな”
「っ……」
“それが解呪方法だ”
__恐らく、医務室の入口で五条は聞き耳を立てているのだろう
だからこそ未来の五条からそんな指示が出たのだ
“それは浮気じゃないよA。
僕が良いって言ってるんだからいいの”
“待ってお前が帰ってきたら俺傑と間接キスする訳?
……それは考えるな”
五条の言葉が次々と脳裏に刻まれていく
“A、あっちのお前が傑と浮気するみたいだから
僕達もしちゃおっか、浮気キス。そしたらフェアでしょ?”
その言葉にキョトン、とした顔の後Aは笑った
「貴方、悪い男ね」
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作者 - プスメラウィッチさん» お久しぶりです!前作からお読みいただいてくださってましたよね(*^^*)当作は今後のものも含め、全ての物語において既にオチは決まっておりますか続きを楽しみにされる方の為に断言することは避けております、申し訳ありません。ですが楽しんでいただけたらと思います! (2022年7月22日 21時) (レス) id: 32dd956d28 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月20日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - る。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!究極の2択ですよね……(涙)今後の主人公の動きを見守って上げてください…! (2022年7月7日 6時) (レス) id: 32dd956d28 (このIDを非表示/違反報告)
る。(プロフ) - 初コメ失礼します!五条先生オチであってほしいけどなんというか複雑(涙)更新待ってます!!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page12 id: 3ca3e54ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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